月刊ブレーン2012年1月号

“会社”そのものが不安定な時代に、かつてのキャリアデザインの考え方は通用しなくなっている。その一方で、ソーシャルメディアで会社を超えて人と人がつながり、個人のネットワークによってチャンスが広がりはじめた。

会社や肩書を超えて一個人として情報を発信し、周囲の人たちと関係性を築いていく中で、新たな仕事が生まれる。日常の活動が、ゆるやかに営業活動や求職活動と地続きになる。そんな状況がはじまりつつある。どこ(の会社)で働くかは重要なファクターだが、いまはそれが全てではない。

自身に何ができるかを自問自答し、実績やスキルを積み上げながら、よりよい状況の中で自分が輝ける場所を柔軟につくっていく。そんな生き方のためのヒントを、クリエイターたちへのインタビューを通して紹介する。

この特集の目次

• 菊地敦己
• 志伯健太郎(グライダー)
• 川越智勇(ドリル)
• 佐藤夏生(博報堂)
• 伊東和彦(バードマン)
• 藤本宗将(電通)
• ワークスタイルのリデザインはじまる
• ポートフォリオ見せてください
• マシュー・ワォルドマン(NOOKA)

生活の豊かさを定義する試みである「グッドデザイン賞」。形や色の個性を競うのではなく、モノやコトの必然的な姿に近づいていく「グッドデザイン」は生活をどう変えていくのか。

社会に創発力をもたらすデザインへ期待が高まる一方、消費者にとっては自分の心を満足させくれる、誰もが「いいデザイン」と思えるものも大切。

いま社会にとって必要な「グッドデザイン」とは何か、今年度受賞作品から探る。

この特集の目次

• 深澤直人
• 本田技研工業
• すぐ身近に取り入れられる グッドデザイン

「どうして建築家になったのかと聞かれることがある。(略)これだけはいえる。僕にとって建築とは、人間を知るためのひとつの装置である」と、建築家の安藤忠雄さんは自身の仕事を語っています。

働くことは、ただ生活の糧を得ることのみにあらず。仕事を通じて、人は自身の価値観やネットワークを形成したり、生きていく上でのさまざまなスキルを身につけます。仕事をすることは、“自分を形づくっていくこと”でもあります。長い就職難や、非正規雇用の問題などを経て、「仕事って何?」「会社って何?」「家族って?」「国って?」...とこれまでごく当たり前で、考えるまでもないと思われていたことについて、リセットして考える素地がここ数年で広がってきました。

その中で起きた震災は、より一層「何のために仕事をするのか?」「それは人のためになっているのか?」という問題を私たちに突きつけているように思います。自分にフィットする仕事ができて、誰かのためになり、生き生きと取り組めて、仕事を通じて成長できる...そんなサイクルを実現するために必要なことは何か?

今回のデザイン会議では、漫画家のしりあがり寿さん、働き方研究家の西村佳哲さん、学生を中心に文章表現やコミュニケーション力の育成に取り組む山田ズーニーさんの3人が、間近にせまった2012年の働き方について考えます。

• しりあがり寿(漫画家)
• 西村佳哲(働き方研究家)
• 山田ズーニー(コミュニケーション インストラクター)