―― いま、人はなるべく群れたがらないという。本意からではなくて、群れの中心になる「鬼」ができにくい職場環境があるからではないか。ときに、鬼の心を持ったのが出現すると、職場秩序を乱すからと配流されてしまうことが多い。それでいて「創造性」だの「自己開発」だのって、言葉だけは賑やかなんです。いや、新種の鬼にもお目にかかります。会社の秩序を守るために、悪事をヒタ隠しに隠して出世する鬼です。昔は「鬼さん、こちら」という歌がわらべうた童謡にあったが、いまは「鬼さん、どちら?」の悲しいメロディが聞こえてきませんか。 (第5話「浦島太郎と桃太郎」より)
単行本: | 220ページ |
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出版社: | 宣伝会議 |
ISBN/JANコード: | 4-88335-027-4 |
商品の寸法: | B6版 |