一般的にデザインといえば、色や形といった見た目の話だと解釈をされがちです。たしかにそれもデザインの一部ですが、実際にはそれだけの話ではありません。本来的なデザインの意味は設計や計画です。近年、デザインの可能性が注目されるようになっているのは、見た目の良さの話ではなく、プロジェクトの構想にデザインを取り込むことによって、新しい価値を生み出せることが認識され始めてきたからです。デザインシンキングは、思考法だけではなく、イノベーションを生み出す上でのチーム環境の作り方や、さまざまな実践手法を融合させたアプローチです。本講座では、そうしたデザインの持つ可能性をビジネスの場で生かす方法論として学びます。
企業の新規事業、アライアンス、商品開発、プロモーションのご担当の方
競合、前例、もしくはデータからアイデアを考えることは少なくありません。たしかに右肩上がりに成長する市場においては有効な方法でした。そして経営層の説得する際も裏付けとして使いやすいため、いまでも商品やキャンペーンのアイデアを考える上で活用することは少なくありません。しかしそうして生まれた商品を定番に育てる、費用対効果の高いキャンペーンに仕上げるハードルはかつてよりも遥かに高くなっています。それは技術的にも市場規模も飽和状態となっているためです。そのため今までには無かったアプローチで自社にとって新しい事業の柱となるような市場を切り拓くアイデアがいま求められています。そこで、水面下に隠れているニーズを発見し、アイデアを実現するためのノウハウを学ぶ「デザインシンキング実践講座」を開催します。
時間 | 講義内容 |
10:00〜12:00 |
デザインシンキングの理論
・イノベーションを起こせるアイデアの条件 ・デザイン、シンキングの3大要素 ・実践するための3つの方法論 ・チームビジョンの明確化 ・チームの活性化 ・情報の伝播 ・スケジュールの管理 |
13:00~17:50 |
デザインシンキングの実践
・複雑な問題に向き合うための思考 ・価値観の異なるメンバーと協働する ・新しいアイデアの種を見つける ・上位の目的を考えメタにモノを見る ・全体最適のつながりを創り出す |
野口 孝仁氏
ダイナマイト・ブラザーズ・シンジケート
代表取締役/クリエイティブディレクター
マガジンハウスにて「ポパイ」のデザインを担当。その後、株式会社キャップに4年間在籍し、99年、ダイナマイト・ブラザーズ・シンジケートを設立。「ELLE」「装苑」「GQ JAPAN」「Living Design」「ハーパース・バザー日本版」「MilK日本版」「東京カレンダー」「FRaU」など多くの雑誌デザインの実績がある。現在では「美術手帖」「Winart」などの雑誌デザインから、企業やブランドのCI、カタログ、会報誌、ビジュアル制作、大手百貨店等の広告でも活躍。京都の老舗和菓子店鶴屋吉信をはじめ、企業ブランディングへもデザイン力で大きく貢献している。