「O2Oケーススタディから学ぶ、実践O2Oマーケティング 2」
2013年8月6日に開催されました第3回OtoOマーケティング研究会の概要について、ご報告させていただきます。
O2Oのシステムが進化しているからこそ、企業哲学・長期視点を取り入れることを忘れずに
今回は、良品計画、ローソンの例を聞かせていただき、両社とも本当に進んだ取り組みをしていることが実感できた。
二社の話を踏まえて、まだ早いのかもしれないが、O2Oの先のことを考えたいと思う。
良品計画のスマートフォンアプリ「MUJI passport(ムジパスポート)」は、IT面でのマーケティングの進化過程を踏まえた顧客との関係性を強化する素晴らしい仕組み。顧客のさまざまなデータを取得できる大きな武器であると感じた。
特に、購入したかどうかだけでなく、検討と試用という段階も捉えられ、顧客接点の厚みを増すことができ、まさに顧客との関係性を高めるのに役立ち、良い面が大きい。
一方で、新しいことができるからこそ、長期的な視点を踏まえた方向付けも必要なのではと感じた。
O2Oというのはまだ最近のことなのでさらに進化するだろうし、あまり長期のことに捉われると可能性が制限されてしまうかもしれない。
ただ、社会性の観点、長期的な方向性というのは必要と感じる。
良品計画さんのO2O施策の柱は「売り上げと企業ロイヤリティの強化」の二つと捉えた。アプリによるさらなる売り上げの向上とともに、そこに無印良品の哲学をどうくみこんでいき、企業ロイヤリティの向上につなげていくのか。その両方のバランスがうまく取れていくことで、さらに強力になっていくのだろうと感じた。
ローソンの発表を聞いて、SNSを活用したたくさんの事例をこなしていることにまず驚いた。そして、それによって得られる効果も大きいことや、新たなことを実施には検証も含め苦労が伴っていることが良く分かった。
現段階では若年層をターゲットにして、飽きさせないよう次々と話題をつくっていくことが、ほかのコンビニエンスストアとの大きな差異化要因になっている。
今後について考えると、おそらく課題は二つあるのではないか。一つは、良品計画と同様に、今後の方向性について。
飽きさせないよう、いつも新しいことをたくさん考え出しているが、長く続くといつか飽きられることも出てくるのではないか。
その時に方向性を見失わないためにも、いまから何を準備するべきか、根底に置いておくべきことは何かなど長期的な視点も入れた方が良いのではないだろうか。つまり、お客さまに需要されている一貫性とは何かを考えることだと思う。
もう一つは全国展開するコンビニならではの地域性ではないだろうか。O2O自体、まだまだ普及段階であるので、そこに言及するにはまだ早いのかもしれないが、そもそもマーケティングの展開はマスからセグメント、そしてワントゥワンとなってきた。
SNSは受け取る顧客の側は個人個人となっているが、これからは顧客の地域性関連のカスタマイズをさらに考慮に入れる必要があるだろう。
地域ごとの個店と個人という関係性におけるワントゥワンがもっと求められるのではと感じた。
両社の取り組みが、ほかの企業よりも非常に進んでいるので、今の段階でこうした指摘をするのは早すぎるところもあると思う。
しかし、システムが進化していろいろなことにトライすることの重要性とともに、企業の哲学的なこと、長期的な視点も同時に入れてO2Oを考える時期に来ているように思える。
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