

広告デザイナーはなぜ、 コピーライティングの技術を必要としたのか?
広告デザイナーはなぜ、 コピーライティングの技術を必要としたのか?

―受講のきっかけを教えてください
これまで北海道でデザイナーとして仕事をしてきましたが、経験が増えるとともに業務の幅が広がってきたことが、直接のきっかけです。デザイナーからアートディレクター、近年はクリエイティブディレクターのような、表現だけではなくコンセプトを考えたり、また企画そのものを判断する役割が多くなりました。そのように業務が広がっていく中で、特に求められたのが、課題解決や本質的な部分を作り上げる思考法でした。
「型」はデザイン業務にも役に立つ
―そこで、なぜ当講座を選択されたのですか?
課題解決の思考法を磨くにあたって考えたのが、普段から接する機会の多いコピーライターの思考法です。課題解決は彼らの職業領域の真骨頂ですので、その思考法を学べること、さらに公式化して「型」として学べる、という点に魅力を感じました。 また、体験講座を受ける中で「これはメイン業務であるデザインにも相当活かすことができる」と感じたことも大きかったです。また、地方在住ですので、どこかに通うことなく自分の時間で学ぶことができるオンラインという点も後押しされました。
―どのような部分で「活かせる」と感じられたのでしょうか?
学ぶ内容が「思考法」だったからです。
コピーを書く際に、様々なところから情報を集めて、ファクトやメリット・ベネフィットを見つけて、インサイトや競合などの社会面を考えながらアウトプットする、という思考法が、自分がデザインをアウトプットしているときと同じだと感じました。
デザイナーとして長年生活していますが、今まで自己流でなんとなくフワッとやっていた上記のようなことが、一流のプロの方の思考法を学ぶことによって、しっかりと自分の中で整理され、言語化されるような感覚がありました。また、「なるほど、皆さんはこうやっているのか」という発見もありました。
この講座が、思考法ではなく「コピーを100本書いてこい!」というようなコピーの書き方を学ぶ講座だったら受講していなかったかもしれません。
羽生氏が住む地域は通学で定期的に通うことが難しい豪雪地帯
―実際にご受講されてからは、いかがでしょうか?
コピーを書いたわけではないのですが、思考法は本当にすぐ、自分のデザインの実務で活かすことができました。
初期の講義内で「課題の整理シート」というものが出てくるのですが、当時すぐに実際の業務で案件が来た際に、クライアントの話や状況を「課題の整理シート」に当てはめていきました。シートを使うことで、何が本質的?を考え、それを踏まえてテーマはこれが良いか?では、ビジュアルはこれが、というように思考を順序立て行いました。するとクライアントへも「こうだから、こう。だから、このようなご提案をしています」と順序立てて提案と説明ができました。
この講座は、コピーを学ぶというよりは、第一線のプロの思考法を整理しながら、型として学び、添削課題でアウトプットすることで身につけることができる、そしてその身につけることができた「型」は思考法だから様々な業務に生かすことができる、そういった講座だと感じました。
本でもYouTubeでも得ることのできない経験
―添削課題はいかがでしたでしょうか?
自分のアウトプットのダメなところに、プロのコピーライターから指摘がもらえるということの凄さが、身に染みて感じられました。この年になると、ズバズバと「ここはだめだよ。こうしたほうがいいよ」といわれることは少ないです。添削によって、自分では気づけていなかったウィークポイントが浮き彫りになり、それがデザイン業務でも役に立っています。 また、講義の後に課題を提出し添削されるサイクルは、地方在住でも直に講師と会えている経験と近いと感じました。実際に自分の制作物を見て評価をしてもらえる、というのは本でもYouTubeでも得られないサイクルです。 講義と添削のセットで、まさか自分がボディコピーの課題まで書けるとは思っていませんでした。
コピーを書くための整理法をボードで実践する西郷氏。
―こちらの講座は添削も特徴ですが、添削はいかがでしたか?
採点期間が短い中で、こんなにしっかり添削してくれるんだ、と驚きました。以前受講した講座では、こんな添削がなかったので(笑)。正解・不正解ではなく、こうしたらいいよとかの道筋を示してくれるのは本当にありがたかったです。添削の言葉を理解することで、次の課題に、そのことを活かしながら考えられるという循環はすごくよかったです。
―ご受講中、お仕事とのバランスをとるために、どのように受講されていましたか?
朝は30分早く起きることと、夜は30分遅く寝ることを続けてました。急な仕事が入ることもあるので、とにかく前倒しで講座を視聴することを心掛けて実践してました。課題の期限については、期限から逆算して1日毎にスケジューリングして遅れがないようにしていました。
―ご受講されてからの変化などはありますか?
コピーライターの思考法の軸を学んだことで、事象から「ファクト・メリット・ベネフィット」や「何を言うか、どう言うか」などの視点の整理が何事にも応用できるようになったので、事業支援をしているお客様のお話を素早く頭の中で整理できるようになりました。 また、お客様のお話をインプットした後も思考の中で視点を様々に変え、切り口を変えることができるようなったので、以前よりも短い時間で提供できるアウトプットの質を高めることができるようになったと思います。
―今後の展望などありましたら、教えてください。
事業開発は、発見が全てだと感じています。同じものでも、見方を変えればこんなに変わる、世の中にまだ出ていない試みや、見つかっていないニーズなど、探せていないだけで、ちゃんと発見すれば世の中に届くと思います。その発見する力と世の中に伝える力を学び続けてきましたので、そこを自分の仕事である事業開発へ活かしていきたいですね。
表現の幅を広げた「言葉」を使う技術
―最後にご受講後の変化などありましたら教えてください
自分の表現の幅の中に、ビジュアル面での表現だけではなく「言葉」というアイテムが増えました。「それで、クリエイティブがよくなるのなら業務でもコピーを書こう」と思うようになりました。また、思考法を手に入れたことにより、クリエイティブが底上げされました。 今後は、コピーやビジュアルを駆使して、より一層クライアントへ貢献していきたいと思います。
羽生氏が手掛けたポスター