
新型コロナの影響で今夏の公開予定が延期された映画『シン・ウルトラマン』。だが、ファンは逆に、作品に妥協しない“チーム庵野秀明”への期待を募らせる。つくり手とファンの信頼関係だ。
イラスト/高田真弓
先の3月下旬、映画『シン・ウルトラマン』の公開延期が発表された。新型コロナの影響で今夏公開予定の制作スケジュールに遅れが生じたという。
それと同時に、「特報」なる1本の動画も公開された。それは、主要キャストを始め、政府や自衛隊、怪獣、そしてウルトラマンを短いカットで繋いだもの。合間に「企画・脚本 庵野秀明」などのテロップも挿入。ラストカットは「鋭意制作中 公開日調整中」──。
これにSNSが沸いた。あの『シン・ゴジラ』を彷彿とさせる“現実対虚構”の世界観に、動くウルトラマンの雄姿。公開延期を非難する声はなく、逆に期待を寄せる声ばかりだった。そこには、つくり手とファンの信頼関係があった。
予兆はあった。発表からさかのぼること4日前、テレビで1本のドキュメンタリー番組が放映されたのだ。NHKの『プロフェッショナル 仕事の流儀 庵野秀明スペシャル』である。それは...