プランナー・クリエイターに求められる「売り」へつなげる意識とスキル

ブランドコミュニケーションから店頭までに一貫性を 必要なのはファンづくりを共通言語に企画できる存在

  • 松田千広氏(博報堂プロダクツ)

博報堂プロダクツは2005年に、博報堂プロマーク、博報堂フォトクリエイティブ、博報堂インセンティブプロモーションズ3社が統合してできた会社。設立当時から“総合制作事業会社”を名乗り、人の心を動かし「顧客化」することを得意とする。プロモーション領域で様々な視点を持つ同社は「売り」につながる提案をどのように考えているのか。

私が所属する博報堂プロダクツには、SP、コマース、コンテンツ制作、イベントなどを含む8つの事業領域と18の事業本部があります。

企画から店頭までフルファネルを支援し、あらゆる顧客接点を確実に購入につなげることに強みを持っていますが、近年ではより上流から設計し、統合的な観点で戦略を立てることが求められているように感じています。

上流施策からアクティベート ひとつなぎの戦略を

またそれに付随して、「売り」につなげる提案というイメージだった「アクティベーション」という言葉も、より広い領域での「生活者の行動のツボを押す」という概念にまで広がっているイメージがあります。「アクティベーション」がサンプリングや期間限定キャンペーンなどフルファネルの一端として考えられていた時代は終わったと言えそうです。

いまは、認知獲得・好意醸成といったファネルの施策にも、生活者に次の行動を促すための仕掛けが求められて...

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プランナー・クリエイターに求められる「売り」へつなげる意識とスキル

「認知だけでは売れない」と言われる時代。モノにあふれ、生活者との接点やメディアも多様化していくに伴って「知ってもらう」ことがストレートに売れることにはつながりづらくなりました。そこで再注目されているのが「アクティベーション」という概念です。「認知」獲得のその先、ミッドファネルの態度変容、さらにロウワーファネルのコンバージョンまで、消費者の行動を具体的に喚起するプランニングが求められるようになっています。これに伴い、「認知」獲得に主眼を置いていた広告クリエイター、PRプランナーの仕事や役割も変化しつつあるのではないでしょうか。
一方で、「販促」施策だけでも売れにくくなっているのも事実です。プランナーには、ブランドコミュニケーションで培ったブランドイメージや世界観をしっかりと売り場やキャンペーンにも落とし込み、両者に齟齬がないように一貫した統合プランニングが求められています。
ともすれば、「広告」と「販促」の垣根が曖昧になっていると言われるのも、どちらか片方だけではモノが売れなくなっているからだと考えられないでしょうか。本特集では、認知獲得に長けてきた広告会社、PR会社、クリエイティブエージェンシーと、販促やアクティベーションを得意とする企画制作会社に取材。今だからこそプランナー、クリエイターに求められる「売り」への意識とスキルについての意見を聞きました。