プランナー・クリエイターに求められる「売り」へつなげる意識とスキル

ただ広告を出してモノが売れる時代ではない 購買データに基づいた統合的なプランニングが鍵

  • 坂本千世氏(電通プロモーションプラス)

企業のプロモーション領域における成長を支援してきた電通プロモーションプラス。これまで生活者と商品のタッチポイントとなる売り場で、キャンペーン運営・店頭施策・売り場改善といった購買を促すための施策を企画してきた。そんな同社は、いま「売り」をつくる提案をどのように考えているのか。

長く店頭での「売り」をつくるための企画を行ってきた電通プロモーションプラスですが、近年、さらに「売り」に対する訴求力というのが求められるようになっていると感じています。

その一方で、広告予算を投下してモノが売れる時代ではないのも事実。さらに国内においては、物価高で消費者の財布のひもが固くなっていることもあり、なおさらモノが売れない時代になってきています。

認知と販促の垣根を越えた「売り」につながる提案を

では、そのネックになっている課題に対して、広告・マーケティング業界はどのようにアプローチしていくベきなのか。電通プロモーションプラスでは、このような現状に対して、店頭で「消費者はこのような理由で商品を買った」「この商品はリテールメディアがある小売で買われることが多い」といった購買データから...

この記事の続きを読むには定期購読にご登録ください

月額

1,000

円で約

3,000

記事が読み放題!

この記事が含まれる特集

プランナー・クリエイターに求められる「売り」へつなげる意識とスキル

「認知だけでは売れない」と言われる時代。モノにあふれ、生活者との接点やメディアも多様化していくに伴って「知ってもらう」ことがストレートに売れることにはつながりづらくなりました。そこで再注目されているのが「アクティベーション」という概念です。「認知」獲得のその先、ミッドファネルの態度変容、さらにロウワーファネルのコンバージョンまで、消費者の行動を具体的に喚起するプランニングが求められるようになっています。これに伴い、「認知」獲得に主眼を置いていた広告クリエイター、PRプランナーの仕事や役割も変化しつつあるのではないでしょうか。
一方で、「販促」施策だけでも売れにくくなっているのも事実です。プランナーには、ブランドコミュニケーションで培ったブランドイメージや世界観をしっかりと売り場やキャンペーンにも落とし込み、両者に齟齬がないように一貫した統合プランニングが求められています。
ともすれば、「広告」と「販促」の垣根が曖昧になっていると言われるのも、どちらか片方だけではモノが売れなくなっているからだと考えられないでしょうか。本特集では、認知獲得に長けてきた広告会社、PR会社、クリエイティブエージェンシーと、販促やアクティベーションを得意とする企画制作会社に取材。今だからこそプランナー、クリエイターに求められる「売り」への意識とスキルについての意見を聞きました。