プランナー・クリエイターに求められる「売り」へつなげる意識とスキル

「アクティベーション」視点が重要 クリエイターはタッチポイント全てをデザインせよ

  • 大屋翔平氏(読売広告社)

読売広告社は2023年4月から、「クリエイティブセンター」を「統合クリエイティブセンター」に改称。クリエイティブ部門とアクティベーション系統を担当していた部門が統合されるかたちとなった。そんな同社は「アクティベーションプランニング」「アクティベーション」という言葉をどう定義しているのか。

読売広告社は2023年4月、クリエイティブセンターを統合クリエイティブセンターに改称しました。それにあたり、元々テレビCMや屋外広告などの企画を担当していたクリエイティブ局と、アクティベーション領域を包括していた局を統合。現在は、ひとつの部門にコピーライターやアクティベーションプランナーなどの役職が混在している状況です。

認知獲得がメインでも行動変容まで担保

まず前提として、この情報過多の時代に、認知獲得だけを目的としたインパクト頼りの広告コミュニケーションは一瞬話題になっても、すぐ消費者に忘れ去られてしまう傾向があります。広告の効果が一時的なものであれば、せっかく広告予算を投下しても意味がなかったということになってしまいかねません。

そのため、認知獲得をメインとした施策であっても...

この記事の続きを読むには定期購読にご登録ください

月額

1,000

円で約

3,000

記事が読み放題!

この記事が含まれる特集

プランナー・クリエイターに求められる「売り」へつなげる意識とスキル

「認知だけでは売れない」と言われる時代。モノにあふれ、生活者との接点やメディアも多様化していくに伴って「知ってもらう」ことがストレートに売れることにはつながりづらくなりました。そこで再注目されているのが「アクティベーション」という概念です。「認知」獲得のその先、ミッドファネルの態度変容、さらにロウワーファネルのコンバージョンまで、消費者の行動を具体的に喚起するプランニングが求められるようになっています。これに伴い、「認知」獲得に主眼を置いていた広告クリエイター、PRプランナーの仕事や役割も変化しつつあるのではないでしょうか。
一方で、「販促」施策だけでも売れにくくなっているのも事実です。プランナーには、ブランドコミュニケーションで培ったブランドイメージや世界観をしっかりと売り場やキャンペーンにも落とし込み、両者に齟齬がないように一貫した統合プランニングが求められています。
ともすれば、「広告」と「販促」の垣根が曖昧になっていると言われるのも、どちらか片方だけではモノが売れなくなっているからだと考えられないでしょうか。本特集では、認知獲得に長けてきた広告会社、PR会社、クリエイティブエージェンシーと、販促やアクティベーションを得意とする企画制作会社に取材。今だからこそプランナー、クリエイターに求められる「売り」への意識とスキルについての意見を聞きました。