プランナー・クリエイターに求められる「売り」へつなげる意識とスキル

広告会社に求められるのはビジネスの成果へ 今考える、クリエイターが役割を越境する必要性

  • 深澤拓哉氏(博報堂)

かつてセールスプロモーションを担う組織とマス広告を担う組織は分断されていた。しかし、いつからかその垣根は曖昧になり、今ではクリエイター全体に「売り」「顧客化」にコミットする意識が求められている。なぜ、この垣根はなくなりつつあるのか。いつからなくなったのか。セールスプロモーションやアクティベーションプラニング出身で、現在クリエイティブ局の局長補佐を務める深澤拓哉氏に考えを聞いた。

現在博報堂のクリエイティブ局には300名を超えるクリエイターが在籍しています。クリエイティブディレクターやコピーライター、CMプラナー、デザイナーだけでなく、ストラテジックプラニングや、アクティベーションプラナー、PRプラナーなど様々なスキルのメンバーが所属している大所帯です。得意領域も肩書も違うクリエイターが集まっていますが、目指すのは1つ。クリエイティブで成果を出し、生活者をワクワクさせながらクライアントの課題を解決することだと考えています。

今でこそさまざまなクリエイターが在籍しているクリエイティブ局ですが、過去を遡ってみると、“クリエイティブ”の捉え方は絶えず変化してきました。とくに、かつては販促やプロモーション領域を担っていたアクティベーションプラナーも時代が進むにつれ「クリエイター」と考えられるようになりました。

アクティベーションプラナーがクリエイティブ局付になるまで

私は現在、博報堂の…

この記事の続きを読むには定期購読にご登録ください

月額

1,000

円で約

3,000

記事が読み放題!

この記事をシェア

この記事が含まれる特集

プランナー・クリエイターに求められる「売り」へつなげる意識とスキル

「認知だけでは売れない」と言われる時代。モノにあふれ、生活者との接点やメディアも多様化していくに伴って「知ってもらう」ことがストレートに売れることにはつながりづらくなりました。そこで再注目されているのが「アクティベーション」という概念です。「認知」獲得のその先、ミッドファネルの態度変容、さらにロウワーファネルのコンバージョンまで、消費者の行動を具体的に喚起するプランニングが求められるようになっています。これに伴い、「認知」獲得に主眼を置いていた広告クリエイター、PRプランナーの仕事や役割も変化しつつあるのではないでしょうか。
一方で、「販促」施策だけでも売れにくくなっているのも事実です。プランナーには、ブランドコミュニケーションで培ったブランドイメージや世界観をしっかりと売り場やキャンペーンにも落とし込み、両者に齟齬がないように一貫した統合プランニングが求められています。
ともすれば、「広告」と「販促」の垣根が曖昧になっていると言われるのも、どちらか片方だけではモノが売れなくなっているからだと考えられないでしょうか。本特集では、認知獲得に長けてきた広告会社、PR会社、クリエイティブエージェンシーと、販促やアクティベーションを得意とする企画制作会社に取材。今だからこそプランナー、クリエイターに求められる「売り」への意識とスキルについての意見を聞きました。

記事一覧

MEET US ON