プランナー・クリエイターに求められる「売り」へつなげる意識とスキル

いま、販促の役割はただ売ることではない 「長く買い続けてもらう」ために何ができるか

  • 服部 憲氏(TOPPAN)

2023年に凸版印刷から社名を変更したTOPPANホールディングス。「印刷」を社名から外し、DXとSXを軸に、プロモーション・企画・パッケージ・エレクトロニクスなど、社会課題の解決ソリューションを提供する会社への変革を宣言した。顧客体験のデザインを軸に企画を設計する彼らは、広告・マーケティング業界の現状をどう捉えているのか。

2023年10月、凸版印刷からTOPPANホールディングスへと社名が変わりました。持株会社体制への移行に伴い、主要事業は「TOPPAN」、TOPPANグループ全体のDX事業を「TOPPANデジタル」、セキュリティ事業については「TOPPANエッジ」を立ち上げています。

私が所属しているTOPPAN社のビジネストランスフォーメーションセンターでは、既存事業である印刷や販促という枠組みを超えて、顧客体験のデザインを軸に企画・クライアントのビジネス変革を設計するようになりました。什器やPOP制作、販促企画づくりやデジタルマーケティングなどを連携させ、企業と顧客の全ての接点で生まれる価値を顧客体験と捉えて企画を行っています。

機能的価値のその先 生活欲求を満たせるか

その中で感じるのは、ただ“知ってもらうだけの広告”では、予算投資の意味がなくなってきているということ。たしかに以前は広告を効率よく回してとにかく多くの人にリーチする、そしてそのリーチの幅が広いほど「売り」に…

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プランナー・クリエイターに求められる「売り」へつなげる意識とスキル

「認知だけでは売れない」と言われる時代。モノにあふれ、生活者との接点やメディアも多様化していくに伴って「知ってもらう」ことがストレートに売れることにはつながりづらくなりました。そこで再注目されているのが「アクティベーション」という概念です。「認知」獲得のその先、ミッドファネルの態度変容、さらにロウワーファネルのコンバージョンまで、消費者の行動を具体的に喚起するプランニングが求められるようになっています。これに伴い、「認知」獲得に主眼を置いていた広告クリエイター、PRプランナーの仕事や役割も変化しつつあるのではないでしょうか。
一方で、「販促」施策だけでも売れにくくなっているのも事実です。プランナーには、ブランドコミュニケーションで培ったブランドイメージや世界観をしっかりと売り場やキャンペーンにも落とし込み、両者に齟齬がないように一貫した統合プランニングが求められています。
ともすれば、「広告」と「販促」の垣根が曖昧になっていると言われるのも、どちらか片方だけではモノが売れなくなっているからだと考えられないでしょうか。本特集では、認知獲得に長けてきた広告会社、PR会社、クリエイティブエージェンシーと、販促やアクティベーションを得意とする企画制作会社に取材。今だからこそプランナー、クリエイターに求められる「売り」への意識とスキルについての意見を聞きました。

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