プランナー・クリエイターに求められる「売り」へつなげる意識とスキル

クリエイターがビジネスグロースを担う時代 必要とされているのは「総合力」

  • 佐々木 祥氏(電通)

広告会社、クリエイターが担う役割が広がっていると言われるなか、電通は総勢70名以上のクリエイターが集う横断組織「フューチャー・クリエーティブ・センター(Future Creative Center)」を設立。広告の枠を越えて、企業の未来価値向上をクリエイティビティでサポートする同組織に所属する佐々木 祥氏に、クリエイターがクライアントの事業成長にコミットする必要性を聞いた。

私が所属している電通「フューチャー・クリエーティブ・センター」には、マーケティングの全体設計や新事業の立ち上げ、企業としての中長期的な戦略設計など、“ビジネスを成長させていく”という大きな枠組みで相談をもらうことが多いです。そのための手段として、認知を獲得するための映像制作から、直接売上をつくるような販促キャンペーンといった実際の施策を企画することもあります。

「クリエイティブ」を担う部署が認知から「売り」までの企画やビジネスグロースを担っていることを考えても、広告会社やそこに属するクリエイターには、フルファネルでのディレクション力がますます求められていると言えそうです。

コア施策が広告から体験へ 求められるのは「総合力」

ビジネスを俯瞰的に見ながら、認知~購買までの企画をフルファネルで担当している私ですが、企業を成長させていくためには、当然ながら継続的に売上を立てるという足元の課題解決が重要です。

しかし、直接的な…

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プランナー・クリエイターに求められる「売り」へつなげる意識とスキル

「認知だけでは売れない」と言われる時代。モノにあふれ、生活者との接点やメディアも多様化していくに伴って「知ってもらう」ことがストレートに売れることにはつながりづらくなりました。そこで再注目されているのが「アクティベーション」という概念です。「認知」獲得のその先、ミッドファネルの態度変容、さらにロウワーファネルのコンバージョンまで、消費者の行動を具体的に喚起するプランニングが求められるようになっています。これに伴い、「認知」獲得に主眼を置いていた広告クリエイター、PRプランナーの仕事や役割も変化しつつあるのではないでしょうか。
一方で、「販促」施策だけでも売れにくくなっているのも事実です。プランナーには、ブランドコミュニケーションで培ったブランドイメージや世界観をしっかりと売り場やキャンペーンにも落とし込み、両者に齟齬がないように一貫した統合プランニングが求められています。
ともすれば、「広告」と「販促」の垣根が曖昧になっていると言われるのも、どちらか片方だけではモノが売れなくなっているからだと考えられないでしょうか。本特集では、認知獲得に長けてきた広告会社、PR会社、クリエイティブエージェンシーと、販促やアクティベーションを得意とする企画制作会社に取材。今だからこそプランナー、クリエイターに求められる「売り」への意識とスキルについての意見を聞きました。

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