システムリニューアルに伴いログインIDのパスワードを再設定ください。

システムリニューアルに伴いログインIDのパスワードを再設定ください。

顧客維持型へシフト 次代のダイレクトマーケティング

1 to 1マーケティングは、中長期的に事業を成長させる

  • 小嶋泰我氏(Supership マーケティン事業本部 プロダクトマーケティング室長)

短期的な売り上げを追いかけるものとされがちな1 to 1マーケティング。データマーケティング事業などを手がけるSupershipで、マーケティング事業の戦略立案を手がける小嶋泰我氏は、「中長期的な事業を最大化する施策として注力していくべき領域」と語る。

閲覧履歴からパーソナライズされたおすすめ商品リストの例 (写真=123RF)

カタログからEコマースへ 求められるスキルは?

従来型のカタログ通販とEコマース、メーカー通販における決定的な違いはどこにあるだろうか?

カタログ通販と言えば、印刷メディアとして四半期に一度くらいのペースで発行され、主に家庭の中で消費者に親しまれているもの、といったイメージが一般的ではないだろうか。発行元のメーカーは、季節ごとのニーズに合わせ、紙面上で自社商品の魅力を伝え、顧客リスト上の消費者にカタログを届けることになる。

対して、Eコマース(EC)は、Webサイト上で随時、時にはパーソナライズされた商品が更新され、インターネットへのアクセス環境がある消費者であれば、誰もが、どこでも利用できる。

ECの巨人である米アマゾンや、楽天を例にとると、デイリーのセールスランキングが表示され、毎日のようにおすすめ商品が入れ替わり、あなたへのオススメ商品がレコメンドされる。

これは実際効果的で、私自身の経験に照らしても、ECモールのダイレクトマーケティングを行う際に、顧客のセグメントごとにクリエイティブ(表現)や、商品の掲載順を入れ替えることで、利用者の反応が劇的に高まるケースはいくどとなくあった。

「新しい情報発信を低コストでスピーディに行える」「データに基づいて、個々の消費者をとらえた細やかなコミュニケーションができる」「インタラクティブなコミュニケーションが可能である」といった点は、Webだからこそ実現可能な特性だ。

だからこそ、マーケターに求められるコミュニケーション設計の領域は急速に拡大している。同時に、消費者への接触における選択肢が格段に増えているとも言える。

前段が長くなったが、いま、従来のカタログ通販からEコマースへのシフトにあたり、マーケターに求められるスキルとして、以下は不可欠となってくるだろう。

・スピーディにPDCAサイクルを回せるスキル
・顧客目線でのユーザー体験の設計スキル
・プラットフォーム特性を理解し、使いこなすスキル
・1 to 1を実現するためのデータを使いこなすスキル

従来型ダイレクトマーケティングが"響かない"のはなぜか?

従来の非Web型のダイレクトマーケティングでは、顧客のリスト化を行い、魅力的なクリエイティブで適切な商品を取り揃えるか、が重視されてきた。

しかし、こうした「自社目線」でのダイレクトマーケティングを続けていても、残念ながら現代の消費者には"響かない"。

インターネットが当たり前のものとなった現代の消費者は、日々さまざまな情報に触れることができ、その中から欲しいものだけを"選択する"ようになった。

情報にあふれた時代に求められるのは、消費者へ情報を届けるツール(プラットフォーム)の特性をしっかりと理解し、活用し得る、あらゆるデータを駆使した「顧客目線」のダイレクトマーケティングだ。

ダイレクトマーケティングに「顧客目線」を

「顧客目線」でダイレクトマーケティングを行なうには、「自社目線」から脱却し、ユーザーごとの「顧客体験」をもとに要件定義を行う必要がある。

テクノロジーの進化により、さまざまなデータが収集・蓄積できるようになったことで、データの活用範囲も飛躍的に広がった。マーケターとしては、計測できるデータが増えたことでマーケティング施策のKPIが多様化することとなり、同時にユーザーインサイトにより得られる情報も増えた。

従来はダイレクトメールやメールマガジンの反応しか計測できなかったものが、いまはWeb上の行動データから、購入した商品の情報や閲覧情報はもちろん、アトリビューション(間接的な広告効果)まで可視化できるようになっている。

マーケティングにおいてこれらの貴重なデータを活用するためには、顧客と接点を持つことができるプラットフォームの特性やできることを理解した上で、さまざまなデータを収集して分析し、KPIに基づいてアプローチをすること、ターゲットのセグメンテーションを行うことが必要だ。

顧客を理解し、顧客に寄り添ったコミュニケーション設計(具体的にはサイト上に表示する商品、表示させるメッセージの内容とタイミング、クリエイティブなど)を行うには、前述したスキルが求められるため、組織・人材の育成も当然実施しなければならないわけだが、この部分に関しては後述する。

一方、非WebとWeb上のダイレクトマーケティングはどのように連携させるべきか。KPIとして、従来では独立したチャネルごとに、短期的にどれくらい売り上げるかという要件定義が多かったが、それでは本質を見失ってしまうことが往々にしてある …

この記事の続きを読むには定期購読にご登録ください

月額

1,000

円で約

3,000

記事が読み放題!

この記事をシェア

この記事が含まれる特集

顧客維持型へシフト 次代のダイレクトマーケティング

新規顧客の獲得はビジネスにとって、きわめて重要な要素です。そしてもうひとつ、購入・利用などで関係性を構築した顧客といかにつながり続けるか。顧客を維持するためのコミュニケーションが、これから市場で生き残っていくためには決して欠かせない要素となります。
しかし、これまで獲得型のダイレクトマーケティングについては知見があるものの、維持型へシフトするにはどうすればいいか、実は手がかりが少ないのではないでしょうか。

今回の特集では、今後、不可欠となる顧客維持のコミュニケーションについて考え始めるための、ヒントを紹介していきます。

記事一覧

MEET US ON