
今や若い女性たちは、赤身の熟成肉に、ウイスキーはロック、そしアラフォー俳優を好む。大人ぶりたい年ごろなのだ。
イラスト:高田真弓
2014年2月、六本木にニューヨーク生まれの人気店「ウルフギャング・ステーキハウス」がオープンした。
同店で提供される牛肉はアメリカ農務省の格付けで最上級と認定された「プライムグレード」。それを専用熟成庫で28日間ドライエイジングすることで、軟らかな肉質と、アミノ酸による旨味成分が豊富な赤身の熟成肉となる。これを厚切りにして、表面はカリっと、中はジュワッと肉汁が滴る焼き上がりに仕上げる。
客単価は平均1万5000円と安くない。しかし、連日大盛況。今や都内で予約の取りにくい店の一つとなっている。12月には丸の内に2号店もオープン。両店とも客層が広く、肉好きの男性客ばかりでなく、若い女性も意外に多い。
そう、時代は赤身の熟成肉なのだ。日本人と言えば、霜降り肉信仰を指したのは今や昔。脂肪分の少ない赤身は女性にも大人気。ちょっと大人ぶりたい彼女たちは、肉文化の本場・アメリカ人の好む肉の味が、霜降りの脂でなく赤身の旨味成分であることも知っている。
さて、話は変わって ...