節約志向が続く一方で、たまにはおいしいもの、体にいいもの、ちょっと変わったものを求める傾向も強まっている。そんなニーズに応えるのが、商品の品質と品揃えにこだわりを持つスーパーマーケットである。最近は、そのようなスーパーが駅ナカや駅ビルにも増え、手軽に利用できるようになった。上質なものを求める消費者の財布の紐を緩める品揃えや売り場づくりを取材した。
ちょっといいもの、珍しいものが欲しい、というニーズに応えてくれる高級スーパーやオーガニックスーパー。そこで売られる商品は、ナショナルブランドや一般的な商品に比べて品質や安全性、新しさを強く打ち出せる代わりに、価格の高さが購入のハードルになることもある。商品の付加価値を売り場でどのように伝えて、購入者の背中を押すのか。高級スーパーとオーガニックスーパーの3社に取材した。
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ザ・ガーデン 自由が丘/シェルガーデン
■“プチ贅沢”を叶えてくれる売り場

スーパーでありながら、ワイン専門店のような雰囲気のワインコーナー。

各地の有名弁当や地元老舗とのコラボ弁当をバラエティ豊かに取り揃えた。毎日通っても飽きることはなさそう。

土産コーナーでは、ショーケースに商品を陳列して選びやすくした。
■商品価値を伝えるPOP

お勧め商品には、商品写真とこだわりコメントを掲載したPOPを設置。シズル感ある写真が目を引く。
■若い女性を取り込む

3月1日にオープンした錦糸町店では、20~30代女性向けに開店記念スイーツポーチを販売。ホワイトデーまでに販売予定の300個が完売した。袋はポーチとしても使える。
上質と便利さの両立で“プチ贅沢”気分を満たす
シェルガーデン
首都圏で高級スーパー「ザ・ガーデン自由が丘」を22店舗展開するシェルガーデン。路面店展開や百貨店への出店に加え、近年はアクセスの良い駅ビルへの出店を加速している。惣菜やドリンク、スイーツに特化したわずか10坪の小型店から、生鮮やグローサリーなどフルラインアップを揃えた大型店まで、立地やターゲットに応じたバラエティ豊かな店づくりが特徴。国内外から取り寄せた上質な食品に加え、全国各地の老舗やブランドの名産品が揃うのも、同スーパーの強みである。
「少量でもおいしいものや上質なものを求める傾向が強まるなか、百貨店や専門店に行かなくてもそれらのものが手に入る利便性から、当店をご利用いただくケースが多いようです」と同社 企画・開発部部長の井尻政夫氏は話す。
一般的なスーパーに比べて高価格帯の商品が揃うため、経済的に余裕のある50代以上が主な利用客である。一方で …