株価とメニューが連動し、業績が上がれば豪華、下がれば質素に変化する─。そんな日本初の社員食堂を3月末にオープンしたのが日清食品ホールディングスだ。ユニークな取り組みの背景には、高い目標を掲げる中期経営計画があった。

5月20・25日には「お目玉デー」を開催。給食風のメニューを配膳する役員の姿も。
課題
● 社員の株価に対する意識喚起
● 2020年までに時価総額1兆円という目標達成のための機運醸成
施策
● 株価と連動した社員食堂「KABUTERIA」を設置
● イントラネットでもトップページに株価情報と現在の時価総額を表示
成果
● 1日の社員食堂利用者は300人から400人へ増加
● 開始から約2カ月で70媒体以上が取材に
「来月は頑張りましょうね」。5月某日、薄暗いカフェテリアで、社員にこう声をかけながらおでんを皿によそう、割烹着姿の男性がいた。ステンレス製のトレイには、きなこの揚げパンや冷凍ミカンといった小学校の給食を思わせる懐かしのメニューが並ぶ─。
これは今年3月末にリニューアルしたという、日清食品ホールディングス(HD)の社員食堂「KABUTERIA(カブテリア)」での一コマ。注目は、自社の株価に連動してメニューが変化するというユニークな試みだ。月末の終値が前月の平均株価よりも上回っていた場合、翌月にマグロの解体ショーなどのごちそうが振る舞われる「ご褒美デー」が、下回った場合は質素なメニューとなる「お目玉デー」が設けられるというものだ。
「お目玉デー」であるこの日 …