日本の地域は今、深刻な少子高齢化や、自然破壊に直面している。そんな地域から世界までを見渡し、持続可能な社会に実現に取り組むフロムファーイーストにSDGsへの考え方やPR活動の重要性を取材した。
2003年設立のベンチャー企業、フロムファーイースト(大阪市)。2014年に開始した「森の叡智プロジェクト」が、翌年にパリで開催されたCOP21(第21回気候変動枠組条約締約国会議)で発表され、大きな話題になった。多くのメディアが注目する、ビジネスと社会貢献を両立させた事業モデルとは。

「森の叡智プロジェクト」で製品の原料となるモリンガやレモングラスを植林しているカンボジアの荒地。
100年先の未来に危機感
「子どもが生まれたとき、100年先の未来のことを考えました。このまま環境破壊が進めば、地球は住める状態にはないかもしれないなと」。危機感を感じた代表取締役の阪口竜也氏は2010年、環境改善を目指したコスメや洗剤などを製造・販売する事業「みんなでみらいを」を立ち上げた。
米ぬかと小麦ふすまでつくった無添加の洗顔フォームやシャンプーなど一般および美容室向けの商品を製造し、ECサイトや小売店などで販売している。「つくればつくるほど、使えば使うほど、人間が健康になり地球環境もよくなる事業です」。
事業の中核を担うのが「森の叡智プロジェクト」。森林伐採による洪水被害などが深刻な問題となっていたカンボジアで、原料となる植物を植林し、その葉や種などをもとに製品をつくるプロジェクトだ。ポイントは、モリンガやココナッツなどの現地で自生する約20種類の植物を植えていること。下草になるハーブも植え、自然に近い森づくりを目指している。
プロジェクトの実施によって、カンボジアには農業生産性の向上、農地・森林回復による洪水被害抑制などの効果をもたらし、日本国内では原材料調達価格の引き下げによる製品利用者の拡大などを実現。この生産から消費までのプロセスの構築が評価され、経済産業省の支援事業として採択されたほか、COP21でも紹介され、2015年から国連開発計画(UNDP)とともに事業を拡大している。今後は現地での製品化による雇用創出も進めていく予定だ …