理念 転換期を乗り越えるコミュニケーション

住友商事グループのDNAを言語化 3年かけ編み出したコーポレートメッセージ

住友商事は2019年の創業100周年を機に、コーポレートメッセージを発表した。グローバルに多くの社員を抱え、事業も多岐にわたる同社が行った、ボトムアップでのコーポレートメッセージ策定から浸透までのポイントを聞いた。

2019年の4月にコーポレートメッセージを社内で発表。同じく周年事業の一環でつくられた業界の垣根を越えたコラボレーションを実現するイノベーションラボ「未来ラボ」内で行った。写真中央は同社の兵頭誠之社長

住友商事

広報体制:広報部には約30人が所属。コーポレートサイトや広報誌などの制作、メディア向け報道対応、企業広告など、いわゆる全社広報業務を中心に、住友商事グループ、住友グループの一員としての広報活動に取り組む。部員は、新人配属者から営業経験者、専門キャリア人材まで多士済々。

住友商事は2019年、同社100周年のタイミングでコーポレートメッセージ「Enriching lives and the world」を発表した。グローバル7万人超のグループ社員を持ち、事業も多岐にわたる中で希薄になりがちだった同社のDNAを改めて浸透させる旗印となったメッセージ。その策定の裏側について広報部 石黒淳子氏と坂入俊輔氏に聞いた。

歴史から風土まで徹底解剖

100周年の社員プロジェクト「22世紀プロジェクト」が立ち上がったのは2017年。2019年に向け3カ年計画で行われ、アンバサダーと呼ばれるプロジェクトメンバーは全社から公募で集めた。「公募制をとったのは、周年やこれから考えていく自社についての未来を社員一人ひとりに自分ごと化してもらいやすい意図もありますが、トップダウンでは生まれにくいワクワクする企画を期待したからです」と石黒氏は説明する。

2017年1期でまず行ったのは...

この記事の続きを読むには定期購読にご登録ください

月額

1,000

円で約

3,000

記事が読み放題!

この記事が含まれる特集

理念 転換期を乗り越えるコミュニケーション

先が読めない不確実な経済状況の中で、ビジネスモデルの再構築を迫られている企業もあります。そうした転換期に、従業員の心をひとつにする拠りどころとなるのが、企業理念です。社会から本当に必要とされているのか。何のために存在するのか。企業の存在意義を定めた理念が、組織の隅々まで行き渡るようにするために、広報担当者はどんなことができるのでしょうか。