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ユニ・チャーム、タブー視されがちなテーマに理念を軸に貫く広報姿勢

2020年度「企業広報大賞」を受賞した同社。「生理」にまつわる考えを変えようと、タブー視されがちなテーマに踏み込む。批判も一部覚悟した上で、より女性が活躍しやすい社会に向けてソーシャルメディアを活用しながらの問題提起。その活動には同社の理念が貫かれている。

DATA
  • 創業年:1961年
  • 広報人数:非公開
  • ユニ・チャームが展開する生理用品ブランド「ソフィ」。2019年から自分に合った「生理ケア」を推進する「#NoBagForMe」プロジェクトを行っている。きっかけはマーケティング部の若手社員の声だった。女性は生理という現象を心のどこかで「恥ずかしい」と感じている。生理用品は紙袋で隠して購入、そんな当たり前を変えたい──。この想いは、女性のクオリティ・オブ・ライフを向上させ、生理について気兼ねなく語れる社会を目指す第一歩として、全社プロジェクトへと発展した。

    理念に沿った全社プロジェクト

    「企業理念『NOLA&DOLA』(消費者の不の解消と夢の実現)が、きちんと全社員に浸透していたことで、プロジェクト自体は、ごく自然と社内に受け入れられました」と広報室の藤巻尚子氏は振り返る。

    だがテーマが「生理」というセンシティブな内容だけに、強い想いがあっても本来の意図が伝わり切らない可能性は高い。そこで力を発揮したのが、社会における自社を客観視する広報の視座だ。事業部の想いを確実に届けるための戦略づくりと、批判をポジティブな方向に変える念入りな事前準備が行われた。

    Twitterとnoteの使い分け

    戦略は①インフルエンサー(KOL)の起用 ②顧客の巻き込み ③マスへの露出の3つ。

    具体的には...

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    多くの人と直接つながることができるソーシャルメディアは、広報・広聴において欠かせないコミュニケーション手段です。炎上や批判への備えはしながらも、公式アカウントを上手く活用している企業は、プレスリリースなどとは異なる、人格を感じさせるメッセージを発信し、社会の一員として大切にしている価値観や、そこで働く人の思いを届け、共感を集めています。ソーシャルメディアを今、どのように広報に活用していけばいいのか、再点検していきます。