公式アカウント 広報に、こう使う!

関学、中長期的に使えるハッシュタグで母校愛をくすぐる発信に

“三日月”という同学の校章をモチーフに卒業生に向けたエールをSNS上で集めたプロジェクト「#今夜はKGmoon」。OB・OGから共感の輪を広げ、同校の中長期的なブランディングにつなげる戦略性に迫る。

公式Twitter、Facebookなど主要SNSを告知、拡散に活用。


DATA
  • 創業年:1889年
  • 広報人数:14人
  • コロナ下で授業、サークル活動などリモートへの移行が余儀なくされた大学。教授や友人らとのコミュニケーションも制限されるなか、関西学院大学は2021年3月、卒業となる学生たちにエールを送ろうと、ソーシャルメディアを活用したプロジェクトを実施した。

    ハッシュタグ「#今夜はKGmoon」のもと、校章と同じ「三日月」の写真を添えたメッセージ投稿を在学生やOB・OGらに促した。コンセプトムービーが卒業式本番でも上映され、その後、SNSを通じて集まった投稿で構成された動画も制作した。

    「三日月」には、この未曽有の状況下で社会に羽ばたく卒業生らに、顔をあげ前向きになってもらいたい、世界中でOB・OGがつながっているというエールを表現したい、という大学側の想いがあった。

    実施後、卒業生やその保護者からは「味方でいてくれるOB・OGの方々が社会にこれだけいることに勇気がでた」「大学側の想いも伝わり、子どもがいい大学に通うことができたのだとありがたく思った」と好評を得た。

    また14の国と地域から457投稿が集まり、フジテレビアナウンサーの永島優美さん、阪神タイガースの近本光司さんなどOG・OBの著名人からもメッセージを集めるなど、拡がりを見せた本プロジェクト。その裏には、広報が積み上げてきたソーシャルメディア上でのつながりと戦略的なメッセージ設定があった。

    母校愛という資産、どう活かす?

    本プロジェクトは、広報室と、OB・OGで構成されるPR・クリエイティブチーム「TEAM Kwansei Tokyo」が連携し企画、運営を行っているのが特徴だ。チームには...

    この記事の続きを読むには定期購読にご登録ください

    月額

    1,000

    円で約

    3,000

    記事が読み放題!

    この記事が含まれる特集

    公式アカウント 広報に、こう使う!

    多くの人と直接つながることができるソーシャルメディアは、広報・広聴において欠かせないコミュニケーション手段です。炎上や批判への備えはしながらも、公式アカウントを上手く活用している企業は、プレスリリースなどとは異なる、人格を感じさせるメッセージを発信し、社会の一員として大切にしている価値観や、そこで働く人の思いを届け、共感を集めています。ソーシャルメディアを今、どのように広報に活用していけばいいのか、再点検していきます。