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共感呼ぶ動画に共通するものとは?ーそれは「3H」と「型」

コロナで在宅時間が増加し、視聴が高まっているYouTube。ステークホルダーとの接点としてYouTube動画を広報活動に活かすには?2021年のYouTubeを使った有効な打ち手をGoogleの広報担当者に聞いた。

Googleは2020年9月時点でのYouTubeの視聴態度や環境を調査した。その結果、74%がコロナ下で「YouTubeの利用時間が増えた」と回答しており、他のオンラインプラットフォームの平均の3倍以上の伸びを示したという。Googleで広報を務める加藤吾朗氏は、さらにYouTubeを巡る環境変化のポイントを以下、複数指摘した。

ひとつが、視聴するデバイスの種類の多様化だ。「2020年は在宅時間の増加により、YouTubeをテレビの大画面で視聴するシーンが増えました。スマートフォンやPCを通じた視聴に加えて、テレビを通じて複数人で見るようになっています」。これは、スマートTVなど家電のYouTube対応などが背景にはあるという。

また、Zoomはじめビデオ通話ツールが普及したことで、それらを使って、自宅にいながら複数人で会話や楽器を演奏するなど、過去にない動画の切り口も生まれた。

その他、コロナでリアルイベントが中止になるも、過去の関連動画をYouTubeにアップすることで少しでもユーザーにエンタテインメントを届けようとする企業や団体なども見受けられた1年だった。

今、特に共感を呼ぶ「型」とは

コロナにより様々な切り口からの動画コンテンツが生まれたわけだが、特に2020年、人気のあった動画(本稿ではそれを「型」と呼ぶ)を加藤氏に聞いた。「例えば、動画を通じて『学ぶ』というのは2020年のユーザーの視聴傾向としてありました。つまり、自宅でできるエクササイズや家庭菜園、料理などを教えるハウツー系の動画が人気でした」。

特に料理に関しては、2020年1〜10月の間で50億回以上視聴されたという。他にも図1のような人気の「型」がある。ぜひ動画制作の参考にしてほしい。

●ラーニング・ハウツー系
「自宅エクササイズ」「家庭菜園」「料理」など

●プロダクトレビュー
「使ってみた」「歌ってみた」など

●ASMR
食べ物の咀嚼音や耳かきの音など、「聞くと頭や背筋などがゾクゾクッとする心地良い音」のこと

●ゲームの実況

●著名人とのコラボ企画

●サイレントVlog
一人称のビデオブログ。サイレントVlogはさらに声などによる状況説明を入れないスタイルのこと

●モーニングルーティン
自身の朝、行っている習慣を動画で紹介

図1 2020年、コロナ下で共感を呼んだ動画の「型」一例

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多くの人と直接つながることができるソーシャルメディアは、広報・広聴において欠かせないコミュニケーション手段です。炎上や批判への備えはしながらも、公式アカウントを上手く活用している企業は、プレスリリースなどとは異なる、人格を感じさせるメッセージを発信し、社会の一員として大切にしている価値観や、そこで働く人の思いを届け、共感を集めています。ソーシャルメディアを今、どのように広報に活用していけばいいのか、再点検していきます。