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あなたにも潜む、アンコンシャスバイアス 思考のクセを知り、炎上リスクを回避

  • 守屋智敬(アンコンシャスバイアス研究所 代表理事)

気を付けていたつもりが、思いもよらぬところから非難が──。炎上、失言の要因の一つに、無意識の思い込みがある。それが、言動となってソーシャルメディア上で表れていないか、再点検しよう。

アンコンシャスバイアス(unconscious bias)とは、無意識の偏ったモノの見方のこと。日本語では、「無意識の思い込み」「無意識の偏見」「無意識バイアス」等とも表現されています。例えば、図1のようなことはあるでしょうか?これらはほんの一例です。アンコンシャスバイアスは日常にあふれていて、誰にでもあるもので、思い込みがあることそのものに、良し悪しはありません。では、何が問題となるのでしょうか?

☑血液型を聞いて、相手の性格を想像することがある

☑九州出身ですと聞くと、「お酒が好きそう」と、とっさに思う

☑性別、世代、学歴、職業、部署などで、相手を見ることがある

☑育休を「長期間」取得する男性は、変わっていると思う

☑“親が単身赴任中です”と聞くと、まずは「父親」を思い浮かべる(母親は思い浮かばない)

図1 CHECK!アンコンシャスバイアスの例

価値観の押しつけに注意

私たちは過去の経験や見聞きしたことに影響を受けて、「普通はこうだ」「これがあたり前だ」といったように、無意識のうちに決めつけたり、押しつけたりすることがあるため、注意が必要なのです。

ここで「“親が単身赴任中です”と聞くと、まずは『父親』を思い浮かべる」を事例に考えてみましょう。父親を思い浮かべること自体には、良し悪しはありません。但し、「単身赴任といえば、父親がするものだ。母親にはムリだ」といったアンコンシャスバイアスがあると、性別で任せる仕事を決める等、人事面での影響に繋がるかもしれません。

また、「え?母親なのに単身赴任?」「お子さん、かわいそうですね⋯」といったひと言が、単身赴任中の母親や、家族を傷つけてしまうかもしれません。こうした決めつけによる発言はソーシャルメディアの公式アカウントでも当然、注意が必要です。

このように、十把ひとからげなモノの見方は、100人に影響がなくても、101人目を不快にすることがあるかもしれないのです。これまでに出会った100人が同じ反応だったとしても、101人目は違うかもしれません。これまでは、許されてきたことが、今はNGかもしれません。大切なのは、日頃から「101人目」に思いを寄せて、今その時々と向き合うことです。

バイアスに気づくためには

アンコンシャスバイアスに気づくための、具体的な対処法を3つ、紹介します。

❶決めつけ言葉、押しつけ言葉を知る

アンコンシャスバイアスは、「決めつけ」や「押しつけ」の言動となって表れます(図2)。

図2 決めつけ言葉・押しつけ言葉の例

出所/アンコンシャスバイアス研究所

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多くの人と直接つながることができるソーシャルメディアは、広報・広聴において欠かせないコミュニケーション手段です。炎上や批判への備えはしながらも、公式アカウントを上手く活用している企業は、プレスリリースなどとは異なる、人格を感じさせるメッセージを発信し、社会の一員として大切にしている価値観や、そこで働く人の思いを届け、共感を集めています。ソーシャルメディアを今、どのように広報に活用していけばいいのか、再点検していきます。