コーポレートサイト改革

企業のファンを生み出す、ファンケルのサイトリニューアル

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スタンスメッセージ「正直品質。」を軸に、同社の想いが伝わるサイトを目指し2021年5月、コーポレートサイトを一新したファンケル。社長賞も受賞したリニューアルプロジェクトの裏側を聞いた。

2021年コーポレートサイトの全面リニューアルを行ったファンケル。一方的に会社の表面的な情報を載せるだけではない、「正直品質。」というスタンスメッセージを軸にした、「ファンケルの想い」を知ってもらうサイトを目指した。

ストーリーの伝わり方

リニューアルの背景にはコロナ禍でのリアル店舗でのコミュニケーション不足の解消、デジタル化への対応という社会的変化への対応はもちろん、同社のプロモーションにおける課題感があったと、広告宣伝部でリニューアルのプロジェクトリーダーを務めた岩本浩昭氏はいう。

「これまでの宣伝活動としてはテレビCMが中心でしたが、研究から、製造、販売まですべてを自社で行っているその業務の幅広さやストーリーの多さを、CMの尺では伝えきれていないことが課題となっていました。そこで部としては動画中心のストーリーコンテンツを集約したオウンドメディア『そこまでやりますチャンネル』を立ち上げ発信を行うなど、ウェブ発信に注力。方針を2020年ごろから転換しています。そしてその転換と並行して行ったのがコーポレートサイトリニューアルでした」。

「もっと知りたい」を引き起こす

今までサイト内の各所に散らばっていた情報をまとめ、ページによって委託するパートナーなどが異なりトーン&マナーがずれていたところの解消に向け、明確なガイドラインを設定。部署横断15人のチームを結成しUI・UXの見直し、情報へのアクセス・回遊しやすい導線に改善していった。

また最も意識したのが、情報を羅列するのではなく、「ファンケルのことを“知ってもらう”ページ」にすること。

「目的あるなし問わず、興味を持ってくれたユーザーの接点として一番大きな役割をもつのがコーポレートサイトです。一番上部にはスタンスメッセージ『正直品質。』をビジュアル化し、各コンテンツに入る前に必ず通る導線に。また、一般消費者にも興味を持ってもらいやすいコンテンツを集約した『知る・体験する』ページを新設するなど、同社に興味を示したユーザーに『もっと知りたい』と思ってもらえる、また企業の想い・方針の理解がしやすいサイトにすることで、社の想いに...

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コーポレートサイト改革

企業情報を発信する「コーポレートサイト」。その重要性が増しています。長引くコロナ禍で、非対面でのコミュニケーションの質を上げるには、ステークホルダーとの重要な接点である「コーポレートサイト」を見直し、企業の価値や魅力を深くタイムリーに伝える場へと変えていく必要があります。しかし実際、サイトを刷新するとなると、一筋縄ではいきません。リニューアルの準備・段取りの基本から、実例までレポートします。企業だけでなく大学、自治体のホームページ改革の例も参考にして下さい。