コーポレートサイト改革

コーポレートサイト・リニューアル 準備と段取り(超入門)

企業の顔となるコーポレートサイト。そのリニューアルの流れや見積の考え方は?制作効率改善のため制作ガイドラインの提供等を行っている、一般社団法人Interactive Communication Experts(以下I.C.E./アイス)に聞いた。

    インタビュー/岡田行正 I.C.E. ビジネス委員会

POINT1 基本のスケジュールを知る

出所/I.C.E.「制作プロセスマネジメント ハンドブック」より一部抜粋

*サイトのデザインやコーディングのルールを定めたもの
**高齢者や障がい者を含む様々な人にとっての利用しやすさについて定めた規格

POINT2 オリエン前の準備

経営課題を見据える

サイト制作の企画から運用まで、一貫して大事なのはコーポレートサイトの「目的」「役割」。現状の経営課題からコーポレートサイトで何を解決したいのか可視化しましょう。それをまとめたものがオリエン資料になります。中長期経営計画やパーパスの策定など、会社全体の課題が浮き彫りになるタイミングで、リニューアルを進めるのも手です。サイトのデザインが古いなどがリニューアルのきっかけの場合もありますが、サイト改変自体を目的にせず、大きなゴールを見据えてみてください。

立ち上げ当初、コーポレートサイトは「会社のパンフレット代わり」だったかもしれませんが、しっかりと運用しながら「オンライン上でステークホルダーと継続的に関係を保つ場」と捉え直すこともできるはずです。目的やターゲットは絞った方が、より目的を達しやすいサイトになります。

社内理解に心を砕く

リニューアルプロジェクトがうまく進まないケースに共通するのが、社内理解の不足です。プロジェクトリーダーに権限が移譲されている場合は問題ありませんが、決裁者が別にいる場合は、特に丁寧にサイトの目的を説明する必要があります。

「サイトなんて安くできるでしょ」という考えの人もいますが、企業のブランディングや営業に寄与するよう“一点物”のコーポレートサイトを制作するのは、簡単ではないはずです。たくさんの人が動けばコストもかかります。そこで「サイトをリニューアルすることが適切に評価される仕組み」を考えておくと、社内理解も進みやすいでしょう。例えば「求職者をターゲットに、働く場としての企業の魅力を伝える」サイトにリニューアルし、「オンライン採用で、本社が所在する地域外からの求職者を増加」させる、といったことです。

コーポレートサイト・リニューアルの目的の例

経営課題の解決

●会社情報を適切に発信し、問い合わせを増やしたい

●企業のブランディングを行い、求職者を増やしたい

●会社情報とECの情報を整理し、売上を増やしたい

●IRの情報を充実させ、事業理解を促したい

サイト自体の問題解消

(=サイトが目指す大きなゴールとは別であることに注意)

●サイトの運用コストを下げたい

●デザインが古い

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コーポレートサイト改革

企業情報を発信する「コーポレートサイト」。その重要性が増しています。長引くコロナ禍で、非対面でのコミュニケーションの質を上げるには、ステークホルダーとの重要な接点である「コーポレートサイト」を見直し、企業の価値や魅力を深くタイムリーに伝える場へと変えていく必要があります。しかし実際、サイトを刷新するとなると、一筋縄ではいきません。リニューアルの準備・段取りの基本から、実例までレポートします。企業だけでなく大学、自治体のホームページ改革の例も参考にして下さい。