企業ブランディング 求心力を生む新たな取り組み

ブランディングに貢献する サステナビリティ情報開示の勘所とは

  • 安藤光展氏(サステナビリティコミュニケーション協会・代表理事)

社会起点に立った企業価値を示すことが重視されている昨今、サステナビリティの取り組みもブランディングに寄与する傾向にある。だが、その開示にあたっては注意点もある。サステナビリティ情報の開示に詳しい安藤光展氏が解説した。

パーパスを軸に開示する情報の一貫性を保とう

上場企業などを対象に、有価証券報告書でサステナビリティ情報の開示が義務化した昨今。IRやサステナビリティ推進の担当者だけでなく、広報担当者にもサステナビリティ関連の情報発信が身近となる時代が来ています。

情報開示における国内外のトレンド

このサステナビリティ情報の開示規制(法制化)はグローバルで起きている潮流です。中でも欧州では、2024年1月から開示を規制する法律が段階的に施行されて企業の対応がスタートし、今後は欧州で一定レベルのビジネスを行っている日本企業にも施行されます。

国内外での規制やガイドラインが急速に整備されている分野として、目立つのは「人権」や「生物多様性」関連です。直近に大手企業の不祥事がありましたが、性加害や過重労働など人権に関するテーマの社会問題が顕在化。一般メディアでも「ビジネスと人権」について取り上げられてきています。国内でも今後、対応を義務化する動きもあり、注視すべき分野です。

また「生物多様性への対応(環境保全活動)」は、国際的な議論が先行する形に。グローバル事業を展開する日本企業が追随する状況です...

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企業ブランディング 求心力を生む新たな取り組み

社会における企業の存在価値を見つめ直し、企業のありたい姿について従業員と共に議論しながら、自発的な取り組みを促すコミュニケーションを積み重ねる。さらには多様なステークホルダーへ企業価値を発信し、対話していく─。こうした企業の求心力を高めていこうとする動きが活発になってきています。優秀な人材や共創相手を惹きつけるためにも注目が高まっている企業ブランディング。実践にあたっては、企業イメージを客観的に把握し、コミュニケーションを通じて解決を図っていく、広報部門の役割が欠かせません。