採用広報の最前線

「アルムナイ」へのコミュニケーション施策 「会社に戻りたい」と思えるかかわり方とは

人的資本経営の一環として、注目される「アルムナイ採用」。退職した従業員を再雇用する手法だが、そのためには退職者との継続的な接点創出が欠かせない。日揮ホールディングス(JGC)とタイガー魔法瓶に、退職者との関係構築のあり方を聞いた。

コミュニティづくり編日揮ホールディングス

DATA
創立年 1928年(昭和3年)10月25日
従業員数 8865名(2024年3月31日現在)
アルムナイネットワークの社内運用部門 人財部

施策のポイント

アルムナイネットワークは「あくまで場づくり」。復職を強要するような言動は一切行わず、“日揮を母校に”をテーマに「退職者に内発的に戻りたいと思ってもらえるような場をつくる」ことを目指す。

日揮ホールディングスは、離職・退職した人材(アルムナイ)の採用に注力している。2019年にアルムナイのネットワーク・コミュニティ「JGC-Connected」をつくり、2022年度に8名、2023年度には7名、2024年度にも足元で数名のアルムナイの採用につなげている。

「成果が出るまで3年」と明言

ネットワーク設立のきっかけについて「『離職者とつながりたい』という声が多かった」ためだと語るのは、同社人財部の池内達宣氏。「社内変革を掲げた有志のコミュニティで、そうした声が以前から出ていました。設立の決め手となったのは、有志だけでなく社内から複数の声が上がったことですね」と明かす。

ネットワークの運営方針は「あくまで場づくりに徹する」こと。“日揮を母校に”をテーマに「離職者を強引に戻そうとするのではなく、あくまでも内発的に戻りたいと思ってもらえる場をつくる」という思いで実践している。…

この記事の続きを読むには定期購読にご登録ください

月額

1,000

円で約

3,000

記事が読み放題!

この記事が含まれる特集

採用広報の最前線

企業の成長に不可欠な「人材の確保」。人手不足の時代においては、広報部門が人事部門と連携し採用を支援していく活動が重要になっています。では、どのように求職者との関係を構築していけばよいのでしょうか。オウンドメディアやメディアリレーションを通じて、求職者に企業の魅力を知ってもらう取り組み、採用ミスマッチを防ぐ表現の工夫、職場の雰囲気が伝わるコンテンツ、時代に即した新人事制度のアピール、さらには危機管理広報まで、広報視点を活かした採用支援についてレポートします。