時流の把握と即対応 危機下だからこそ問われる広報の本質

匿名座談会 問われる新たな広報の体制

緊急事態宣言下で、出社せざるを得ないケース、図らずもリモートワークが進んだケースなどがある中で、広報の体制はますます多様化しています。これまでとは異なる環境下で、オンライン取材など、新しい広報のスタイルも生まれています。

※座談会は2020年4月に実施

    座談会メンバー

    A美さん
    人材サービス広報。アグレッシブにオンラインアポをとる。

    B代さん
    飲料メーカー広報。在宅勤務時はSkypeやLINEを駆使。雑誌・WEB対応が中心。

    C奈さん
    宅配サービス広報。新型コロナの影響で取材は延期やオンライン取材への切り替えで対応。

    D彦さん
    文具メーカー広報。広報部員は2人体制。商品広報中心にSNSも担当。

    E子さん
    ゲーム会社広報。メディアからベンチャー企業へ転職。

    F恵さん
    アパレル会社広報。販売スタッフが休業する中、徒歩通勤できるオフィスに出勤。

オンライン取材は写真対策を

──緊急事態宣言下の広報の仕事で変化は?

A美:オンラインでメディアにアポがとれるんじゃないかと思って、やってみたんです。そしたら予想をはるかに超えて受けてもらえました。オフラインでのメディアキャラバンと違って、移動しなくていいので、タイトなスケジュールでもできるし、むしろ忙しくなった気がします。

B代:発表会やセミナーもオンラインでできるようになりましたね。準備は大変なんですけど、その分、質疑応答や開催後の画像素材のやり取りはスムーズになりました。

C奈:3月の下旬から原則、外出禁止になったんですが、実はいくつか社長インタビュー取材などが決まっていたんです。記者さんに相談して延期にしたり、オンラインで取材に切り替えたりしました。社長インタビューだと、話している最中の写真撮影がよくありますが、オンラインだと撮影できません。もともと持っている画像が奇跡的にあったので急場をしのぎましたが、撮影関連は、オンライン取材だと不便でした。それから記者クラブに行けない不便さも。これまでなら記者クラブにプレスリリースを投函しに行くんですが、できてないので。

D彦:一般消費財を扱っているのでリリースを出すと、雑誌やWEBメディアから写真やサンプルの依頼が来るんですけれど、全体的に減りました。テレビだと新生活の特集がある時期でしたが、中止や延期になりましたね。

顔見知りの記者さんが、取材慣れしている開発者にオンライン取材したときは支障はなかったんですけど、初対面の人どうしだとどうなるのか不安も残ります。開発のストーリーを説明するとき、現物を見せながら、部品の詳細を説明するとなると、厳しいかなと思ったり。A美さんは、オンラインアポを初対面の人にとっているんですか?

A美:はい。名刺管理のEightで申請をして。承認されてメールアドレスを交換できたら、メールで詳細を説明して、「こういう部分に興味を持っていただけたら」ってオンラインアポをとりました。初対面でも同じ関西出身の記者さんとは気が合って、オンラインで1時間くらいお話して、記事で取り上げてもらうことになってます。

E子:リモートワーク初期は慣れなくて、アポも切れて取材が減りました。でも、だんだん慣れてきたら、リリースを打ったり、取材をとったりができるようになって、最近はオンラインで取材を受けています。

社長インタビューは...

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新型コロナウイルス感染拡大により、社会の様相は様変わりしました。しかし、いかに未曽有の事態といえど、顧客、従業員、報道機関などあらゆるステークホルダーとの良好な関係構築こそが、広報の本質。その大前提は変わりません。今回は、2020年5月号に続き、新型コロナウイルスの感染拡大を受けての広報対応の変化を調査。(1)メディアリレーションズ (2)インターナルコミュニケーションの2つの観点から、広報業務の「いま」 とその課題を紐解きます。

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