BtoB広報の実践

BtoB企業の記者発表会は、「ターゲット」の設計が肝

BtoB企業が広報活動において記者発表会を開く際、気を付けるべきポイントとは?電通PRコンサルティング 情報流通デザイン局 チーフ・コンサルタントの斉藤裕氏と、同コンサルタントの市村将人氏に話を聞いた。

Q1 一般認知が低いBtoB企業が、記者発表会に多くのメディアを呼び込むのに意識すべき点は?

BtoB企業の広報の前提としてまず、自社の事業や製品が、社会にどれだけインパクトを与えられるのかを冷静に認識することが重要です。認知の少ないBtoB企業が、単に自社をPRするプレスリリースを送っても記者に振り向いてはもらえません。

例えば社会の流れを踏まえて、あえて逆を行く構造をつくるとメディアが関心を持ちやすく、情報も拡散しやすくなります。輸入小麦粉の価格高騰が頻繁に報道された頃に、値上げが抑えられていた「米粉」を逆説的にPRする、といったように世間の関心事に掛け合わせた切り口は効果的です。昨今は、BtoB企業においても、取引先のさらに先にいる生活者まで見据えた情報発信をしていく必要もありますから、社会の流れは特に意識したいところです。

その上で、「どんなメディアに取り上げられたいのか?」を定めることもポイントです。「誰に何を伝えたいか」を明確にすることで、リリースから記者発表会まで一貫性をもって設計することができます。

ターゲットが専門誌の場合、一方的な発表会を開いても複雑なBtoB事業の場合はメッセージが伝わりにくく効果は見込めません。そうした時は双方向的なコミュニケーションが...

この記事の続きを読むには定期購読にご登録ください

月額

1,000

円で約

3,000

記事が読み放題!

この記事をシェア

この記事が含まれる特集

BtoB広報の実践

企業が提供する価値や目指す方向性を、社内外のステークホルダーに対して広く正しく伝え、支持を得ていく。こうした広報活動が、BtoB事業をメインとする企業においても重要になっています。その背景には、サステナビリティへの意識の高まりがあり、企業の信頼度を高めるコミュニケーションが欠かせなくなっています。しかし、複雑で専門性の高い事業を扱う企業にとって、その情報発信は容易なことではありません。どのような切り口や手法が考えられるのでしょうか。広報事例を紹介するほか、広報担当者の疑問に専門家がアドバイスします。

記事一覧

MEET US ON