日本を訪れる若い中国人女性らが楽しみにしているのは「食事」「ショッピング」「温泉」──。彼女らの行動から読み取れるインバウンド需要の展望と課題とは。

「親切な店員さんからは言われるままに買ってしまう」とも(中国・北京の電通公共関係顧問にて)。
北京、上海、広州に拠点を置く日系のPR会社、電通公共関係顧問(北京)有限公司では、「日本語サロン」なるミーティングを定期開催している。日本語を話せるスタッフが集まり、毎回テーマを決めて話し合うというものだ。このほど北京を訪れた編集部は、この日本語サロンに参加し、「日本通の中国人女性」から見た日本旅行の魅力について聞いた。
アニメを通して日本に親しむ
電通公共関係顧問はクライアントの7割超が日系企業のため、仕事を通じて日本語に触れる機会は少なくない。そのため、総経理の鄭燕氏をはじめ、日本語を学んだり留学するなどの経験があり、日本語を理解する社員を多く抱えている。日本語サロンの開催は、こうした社員向けに日本語でのビジネスコミュニケーション力を高める狙いがあるという。
この日集まったのは若手の中国人女性社員・インターンの6人。北京だけでなく様々な地域の出身だが、みな日本の大学への留学経験があった。
なぜ留学先に日本を選んだのか。全員から返ってきた答えは、彼女らが日本のアニメに親しんで育ったこと。名探偵コナン、スラムダンク、聖闘士星矢、美少女戦士セーラームーン、ポケモン、ドラえもん、ちびまる子ちゃん……と次々にタイトルが挙がる。ストーリーを通じて日本人の生活や慣習について知ることも多いという。
日本のラーメンはおいしい
日本に旅行する際に楽しみにしていることについて聞いたところ、挙がったのは「食事」「ショッピング」「温泉」の3つ。食事については、刺身は好みが分かれるものの、寿司などの和食だけでなくたこ焼きやラーメンなども好きとの声が聞かれた。「日本のラーメンはおいしい」「