危機を乗り越える広報対応

「不祥事ランキング2023」発表

2023年は、企業の悪しき慣習や風土によって長年蓄積された事案が露呈した事件が上位に。公表が遅く当事者意識の欠けた対応は「隠そうとしている」「逃げている」と批判を浴び、イメージが著しく悪化しました。顧客によるイタズラ動画が炎上し不安を広げた事例もランクインし、危機管理広報として意識しなければならないリスクの範囲も広がっています。不祥事のニュースを見ている生活者はどのような印象を持ったのかを振り返ります。

1位 ビッグモーター、保険金不正請求問題(7月)

ビッグモーターは、事故車の修理に伴う保険金を水増しで請求。同社の従業員はゴルフボールを靴下に入れてふりまわすなど意図的に車両に傷をつけて損傷範囲を広げ、損害保険会社に過大な修理費を請求していた。7月25日、同社は会見を開き、兼重宏行社長が辞任すると発表。会見時に兼重氏は、過大請求への関与について「全くない。部門単独で、他の経営陣は知らなかった」と否定した。

    アンケートの声

    ほとんどを現場の責任として、上層部には責任がないという説明。納得できないし怖い企業だと思った(28歳女性)

    不祥事が会社全体の社風や上層部からの指示によるものということが後からどんどん分かってきてイメージがどんどん悪くなっていった(49歳男性)

2位 ジャニーズ事務所、性加害認める(9月)

ジャニーズ事務所は、故・ジャニー喜多川氏の性加害問題を受け、被害者への補償を行ったのち、廃業すると発表。「SMILE-UP.」に社名を変更した。性加害問題は、3月にBBCが喜多川氏に関するドキュメンタリーを放送し、4月に事務所出身者が性被害を主張。5月には藤島ジュリー景子氏が動画で謝罪した後、9月、10月に記者会見を開いた。10月の会見では記者の指名「NGリスト」が発覚した。

    アンケートの声

    謝罪会見でのNGリストなど、誠実とは思えない対応だった(35歳男性)

    事の重大さを分かっていないように思える(32歳女性)

3位 回転ずし店など、客による迷惑動画で対応に追われる(1月~2月)

あきんどスシローは、客である少年がしょうゆ差しや湯呑みをなめたり...

この記事の続きを読むには定期購読にご登録ください

月額

1,000

円で約

3,000

記事が読み放題!

この記事をシェア

この記事が含まれる特集

危機を乗り越える広報対応

あらゆる企業で起こりうる不祥事。その対応によって企業イメージ低下を最低限に食い止めることもあれば、その逆もあります。組織を取り巻くリスクの変化を顕在化するため、毎年実施している「不祥事」対応に関する生活者の意識調査の結果も踏まえ、専門家が危機管理広報の事例を分析。傾向や対策を解説します。

記事一覧

MEET US ON