トップの発信 支える広報

社長出演のYouTubeでコロナ下でのオンライン販売を後押し

タニタ社長出演のYouTube動画「ニポネット・タニタ」。某番組の名を模し、商品解説も自ら行う。社長は以前から、自身で別の動画も配信するなど、高い編集スキルを持つが、そうした中で広報はどういう立ち位置が求められるのか話を聞いた。

ニポネット・タニタ
「ニポネット・タニタ」の動画の一部。内容は、社長が同社製品を試し、お勧めするというもの。動画の概要欄にタニタオンラインショップのURLなどを貼ることで、EC購入の促進につなげている。

DATA
  • 創業年:1923年
  • 広報人数:4人
  • 体組成計などの健康計測機器を製造・販売しているタニタ。同社社長の谷田千里氏自身が出演するショッピング番組が、同社の公式YouTubeチャンネルで2020年8月7日から始まった。その名も、「ジャパネットたかた」を模した「ニポネット・タニタ」。週に1回のペースでライブ配信を行い、谷田氏が軽妙な語り口で同社の商品の魅力や使い方を紹介。動画内で紹介した商品は「タニタオンラインショップ」で購入できる仕組みだ。

    ニコ動で培った動画スキル

    本動画の施策が始まったのは、同年5~6月ごろのネット通販売上が“図らずも”好調だったことに起因する。「巣ごもり需要でネット販売をしている他社の業績が好調という新聞記事が多くありました。結果的に当社のネット販売が好調だったのは良いことなのですが、コロナ下におけるネット販売戦略を立てていたわけではありません。『タニタとして自分たちから積極的にアプローチするべきだ』と戦略の立案を社員たちに呼びかけましたが、反応は鈍い。そこで自ら先陣を切って動くことにしました」(谷田氏)。

    谷田氏と動画コンテンツとのつながりは2008年まで遡る。ニコニコ動画の「ニコニコチャンネル」で、タニタの企業公式チャンネルを開設し、健康にまつわる動画を発信していたのだ。

    「2008年当時は社長に就任したタイミングでもあり、社内の雰囲気を変えようと始めました。もともと私はチャレンジすることが好きですし、ニコニコ動画での経験もあったのでYouTubeも技術的なハードルは低かったのです」。

    こうしてスタートした「ニポネット・タニタ」は、これまで25本の動画を配信。2021年1月14日配信の動画では...

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    危機のさなかには、経営トップの発信力が強く求められます。ステークホルダーの不安に向き合い、企業として何を大切にするか。トップが語り掛ける内容を、広報視点で提案することが、ますます重要になっています。また、コロナの影響で、オンラインでの発信にも注力していく必要が出てきています。広報は今、トップの発信を、いかに支えていけばいいのでしょうか。

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