進化する広報のこれから

もし「広報はいらない」と社長に言われたら? 効果測定から考える、広報が果たすべき役割

  • 鈴木恭平氏(パナソニック コネクト)

広報活動の成果をどのように示していけばいいのか。BtoB向けITソリューションを提供するパナソニック コネクトで、コミュニケーション戦略を担う鈴木恭平氏が、自身の経験をふまえ解説する。

※本稿は2025年2月に開催した「広報会議サミット」の講演レポートです。

広報会議サミットで講演する鈴木恭平氏。Tシャツには「現場と向き合い、現場の課題を探り、現場の理想を実現する。」とある。これは同氏が運営するパナソニック コネクトのオウンドメディア「gemba」で指針としているメッセージだ。

「あるパソコンの販売数と記事掲載件数の相関分析をしたところ、記事掲載件数が多いほど売上が下がるという結果になりました。広報活動のアウトプットは良好にもかかわらず、なぜこのような結果になったと思いますか」。

パナソニック コネクトの鈴木恭平氏は、実体験をもとにこう続けた。「実は新製品の発売を待つ顧客による買い控えが起きているためなんです」。パソコン市場においては、新製品を出す周期があり、店舗で製品を入れ替える時期、つまり新製品の告知リリースを打つタイミングは売上が下がりやすい構造があるという。単に広報の効果測定をしようとしても、構造上うまくいかないことがあるという一例だ。

「成果を測るのに、適切でない指標が…

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進化する広報のこれから

2025年4月、おかげさまで『広報会議』は創刊20周年を迎えました。この20年で、広報の手法や領域は大きく進化しています。ソーシャルメディアの浸透、SDGsへの関心の高まり、コロナ禍対応など、時代に応じて変化する要素がある一方で、対話を通じて信頼関係を構築していく広報の本質は変わりません。本特集では、広報の実務家や専門家が、その極意や心得を語っています。広報とは何かを改めて問い直し、社会や組織に求められる広報のあり方を考えるヒントとしてください。

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