企業ブランディング 求心力を生む新たな取り組み

中小企業のコーポレートブランド生成 ベースのモデルは「1対1型」にあり

  • 坂本隆行氏(筑紫女学園大学 現代社会学部 准教授)

中小企業のコーポレートブランド構築における課題やポイントは、大企業の場合とは異なるケースも多い。筑紫女学園大学の坂本隆行准教授は、中小企業においては従業員一人ひとりのあり方が、よりコーポレートブランドに影響を与えると話す。

個々の従業員が社会と向き合う「1対1型」のブランディング

「中小企業の企業ブランドは、いかにして生成されるのか」。これは私が大学で研究しているテーマです。

私はかつて2つの中小企業に勤めていた経験があります。1社はまだ知名度を獲得できていない企業。もう1社は地元の老舗企業です。営業職をしていたのですが、両社を比較すると、扱う商品のクオリティには関係なく、後者の老舗企業の方が格段にクライアントにアポイントが取りやすかったです。

この違いに疑問を持ったことが中小企業の企業ブランドを研究するに至ったきっかけです。

あなたが会いたいのはどちらの先生?

私が学生に中小企業のブランドについて説明する際、よくする質問が、「あなたは、これまでの学生生活で実際に受け持ってもらった大切な先生と、マスメディアで活躍する著名な先生では、どちらに会いたいですか?」というものです。すると、「私がお世話になったのは...

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企業ブランディング 求心力を生む新たな取り組み

社会における企業の存在価値を見つめ直し、企業のありたい姿について従業員と共に議論しながら、自発的な取り組みを促すコミュニケーションを積み重ねる。さらには多様なステークホルダーへ企業価値を発信し、対話していく─。こうした企業の求心力を高めていこうとする動きが活発になってきています。優秀な人材や共創相手を惹きつけるためにも注目が高まっている企業ブランディング。実践にあたっては、企業イメージを客観的に把握し、コミュニケーションを通じて解決を図っていく、広報部門の役割が欠かせません。

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