コーポレートサイト フルリニューアルを実現

初めてサイトリニューアルに携わる担当者が知っておきたい基礎知識&段取り術

  • 新山佳世子(X-PERIENCE)

コーポレートサイトのフルリニューアルは、頻繁に発生する業務ではない。新しくリニューアル担当になったが、前任がすでに社内におらず、ノウハウが蓄積されていないケースもあるだろう。初めて携わる担当者が知っておきたい基礎知識を紹介する。

コーポレートサイトのリニューアル担当者になったものの、何から始めればよいか分からない。そんな方にお伝えしたいのが、「まずは社内で協力してくれる仲間を探す」です。そして、「どのような理由でコーポレートサイトのリニューアル指示が来ているのか」を知ることも真っ先にすべきことです。たまに「サイトが古いからデザインを新しくしたい」などという相談をいただくことがありますが、あやふやな目的でスタートすると、プロジェクトは思うように進みません。

リニューアルの目的が経営課題から来ているのであれば、真っ当な理由となりプロジェクトの進行も進めやすくなります。

コーポレートサイトのリニューアル理由を把握したうえで、次にすべきことをお話しします。

【自社分析】課題を明確化

➀ページ内容を棚卸しする

現状のサイトは何ページあるのか、どんな内容のページなのか、単なるHTMLページなのか、システムや機能のあるページなのか、リンク切れや画像が表示されていないなどのトラブルは起きていないかなどを確認します。

たとえ前回のリニューアル時に作成した一覧があっても、公開されているコーポレートサイトは、当時よりアップデートしているはずなので、今時点の一覧を作成する必要があります。

➁ページごとの担当者を明確に

➀で作成した一覧を見ながら、どのページがどの部門の管轄なのかを明らかにします。もし担当者不明、担当部門も不明であれば、このタイミングで担当部門、担当者を決めましょう。

➂各ページの課題を明確に

➁で明確となった担当者・担当部門へ、ページ単位の課題や運用面での課題がないかをヒアリングしましょう。「自分たちで更新したいけど容易にできない」や「情報が陳腐化している」「既に取り扱っていない製品が掲載されている」などの課題が見えてくるはずです。「検索機能をつけたい」などの要望が挙がることもあるでしょう。

➃システムや機能の課題を明確に

➀でシステムや機能のあるページが明確になるので、発生している課題がないかを確認します。例として「ボタンを押しても反応しない」「お問い合わせフォームのエラー表示がおかしい」などが当てはまります。

➄ページ単位のリニューアル方針

ページごとに今回のリニューアルの対象/対象外、削除するのかなどを検討します。その際にどのような理由・背景で削除・リニューアルするのか判断の理由を明確にしておきましょう。

➅顧客の声から課題を探る

お問い合わせ窓口などに届いたお問い合わせ履歴を振り返り、ウェブサイトに関する課題を収集しましょう。

➆数字を把握する

Googleアナリティクスなどのログ分析ツールから、現状を数字で把握できるものは押さえましょう。「月間のアクセス数〇〇件」「直帰率〇〇%」などです。そもそもログ分析ツールが入っていない場合は、入っていないということ自体が課題となります。

【競合分析】競合を参考にする

扱う商材やサービスが競合する「事業上の競合」と、検索エンジンで検索した際に自社サイトの上下に表示される「検索上の競合」があるので、どちらのサイトもチェックしましょう。

自社サイトと競合サイトの強み・弱みを把握することで、差別化を図るヒントになるでしょう。チェックする観点には下記のようなものがあります。

●上位にヒットする検索キーワード
●メニュー項目はどうなっているのか
●どんなコンテンツがあるのか
●どんな機能やシステムがあるのか

また、ユーザー視点でウェブサイトを閲覧しながら、良いなと思った点をピックアップしましょう。

外部パートナーを選ぶ際のポイントとは

コーポレートサイトのリニューアルとなると、期間も費用もかかることが一般的です。1社に全工程を任せることもできれば、工程ごとに得意な会社をアサインすることも可能です。

例えば、先に挙げた自社分析や競合サイト分析を依頼したい場合は...

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多様なステークホルダーが訪れるコーポレートサイト。昨今は、企業の存在意義や社会課題に対する姿勢など、事業にまつわる想いや将来性が、一貫性を持って伝わってくるコーポレートサイトが求められています。加えて、ユーザーにとって欲しい情報がすぐに見つかるような設計や、運用体制も考えていく必要があります。サイトを刷新するにあたり、どのような準備がポイントとなるのでしょうか。

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