映画に登場する広報・メディアの仕事を通じてその極意を学ぶ本連載。2017年の連載開始以来、これまでに紹介してきた38本の中からテーマ別にセレクトした14本を、筆者の解説とともにお届けします。
01 自分の見せ方が学べる作品(セルフ・ブランディング)

2018年6月号掲載
『摩天楼はバラ色に』 | |
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公開 | 1987年 |
製作国 | アメリカ |
監督 | ハーバート・ロス |
出演 | マイケル・J・フォックス、ヘレン・スレイター、リチャード・ジョーダン、マーガレット・ホイットン、ジョン・パンコウ、クリストファー・マーニー |
STORY
実業界での成功を夢見てカンザスからニューヨークに出てきたブラントリーは、最初の就職先でいきなり解雇されてしまう。叔父が社長を務める大企業でメールボーイとして働くが、そこで美人重役のクリスティに恋をし、その後架空の重役になりすまして仕事をすることになる。
1本目は、『摩天楼はバラ色に』。カンザス州から出てきたブラントリーは、不景気で就職先が見つからず、配送係の仕事にようやくたどり着きます。だが、彼には、出世して憧れの女性と恋をしたいという野望がありました。そこで、彼はニセ重役に変身。そのブランド戦略がすごいです。偽物がどうやって本物になるのか。そこには参考になる秘訣が満載です。実は筆者は、この映画を見て上京しました。この映画を何度も見て参考にしたから今日があると思っています。

2019年11月号掲載
『ザ・サークル』 | |
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公開 | 2017年 |
製作国 | アメリカ |
監督・脚本 | ジェームズ・ポンソルト |
出演 | トム・ハンクス、エマ・ワトソン、エラー・コルトレーン、ジョン・ボイエガ |
STORY
世界ナンバーワンのシェアを誇る巨大SNS企業「サークル」に採用されたメイ(エマ・ワトソン)は、カリスマ経営者のベイリー(トム・ハンクス)の目に留まり、新サービス「シーチェンジ」のモデルケースに大抜擢される。自身の行動を24時間公開することとなったメイは、1000万人を超えるフォロワーを集め、アイドル的な人気を博していくが・・・・・・。
2本目『ザ・サークル』は、SNS時代の象徴的な映画でしょう。エマ・ワトソン演じるメイ・ホランドは「サークル」というIT企業に転職。そこで、新開発の小型カメラで私生活を生中継することに。ホランド自身も出世したりとメリットも多かったですが、その反面「炎上」が絶え間なく起こり、ついに悲劇が起こります。
新型コロナ時代、SNSでデマが流れ、有名芸能人をバッシングしたりと、この映画同様の事柄が現実となってきています。今回、在宅勤務が広まり「自己PR」がさらに重要視されるようになりました。チーム型からジョブ型に仕事形態が変わった日本。あなたも見せ方次第です。
02 新任担当者向け基礎が学べる作品
新人はとにかく誰かのマネをすることが大切です。ゴルフや野球をする人もプロ選手のマネをしますよね?この映画に登場する広報は、俗に言うノーマルな普通の広報、もしくは広報手法です。見ているだけで「なるほど~」「今度やってみよう」と思うことが満載です。

2018年11月号掲載
『ファウンダー ハンバーガー帝国のヒミツ』 | |
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公開 | 2017年 |
製作国 | アメリカ |
監督 | ジョン・リー・ハンコック |
出演 | マイケル・キートン、ニック・オファーマン、ジョン・キャロル・リンチ |
STORY
1954年、アメリカ・イリノイ州でミルクシェイク製造機を販売しているレイ・クロックのもとに、ハンバーガーショップ「マクドナルド」から注文が入る。コストを削減しつつ顧客の満足度を高める同店の革新的な経営方針に商機を見出したクロックは、経営者のマクドナルド兄弟を説得しフランチャイズビジネスを展開しようと試みる。
1本目はマクドナルドを舞台にした『ファウンダー ハンバーガー帝国のヒミツ』。この映画の中で...