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米国PRのパラダイムシフト

CSR先進国・アメリカ「企業イメージの42%は、社会貢献活動で決まる?」

読売新聞記者、PR会社を経て活動する岡本純子氏による米国からのレポート。現地取材により、PRの現場で起きているパラダイムシフトを解説していきます。今回はCSR先進国でもある米国の企業の取り組みなどから、トレンドを読み解きます。

ニューヨーク近代美術館には「UNIQLO FREE FRIDAY NIGHTS」の表示が。ユニクロとのパートナーシップにより、入場無料になる。

ユニクロの画期的取り組み

一般の市民にもチャリティやボランティアといった意識が浸透しているアメリカでは、伝統的に企業もCSR(Corporate Social Responsibility=企業の社会的責任)活動に熱心に取り組んできた。投資額やその力の入れ方といった意味では日本とは比べ物にならないレベルであり、特に最近では、企業レピュテーションに影響のある活動として、最も注目を集める分野でもある。今回は、そんな「CSR先進国」アメリカの最先端事例やトレンドをご紹介しよう。

ニューヨーク・マンハッタンの中心地にあるニューヨーク近代美術館(MOMA)。ピカソをはじめとする近現代画家の膨大なコレクションでも知られる世界有数の美術館であり、ニューヨーク随一の観光スポットでもある。大人の入場料は25ドル(約3000円)と結構な額なのだが、金曜の夕方に限って無料になると聞いて、「節約」の2文字が何より大好きな筆者もさっそく出かけてみた。驚いたのが、受付の電光掲示板の“UNIQLOFREE FRIDAY NIGHTS”の表示(写真参照)。つまり、ユニクロのおかげで、タダで見ることができるということだ。金曜の夕方ということもあって、館内は大賑わい。一体、ユニクロはいくら負担しているのだろうと気になったが、その投資の成果はしっかりと刈り取れているようだ。

そもそも2013年に始まったSPRZNY(Surprise New York)と呼ばれるMOMAとユニクロのパートナーシップはこの無料公開だけに留まらず、MOMAの作品をモチーフにしてユニクロが様々な商品を開発し、販売することなども含まれている。MOMAショップやユニクロショップでは、アンディ・ウォーホルや草間彌生、キース・へリングによるデザインのTシャツなどの衣料品やかばんなどが数多く売られている。

この異色のコラボは話題を呼び、ブランド論の世界的大家であるデービッド・アーカー氏が「勝ちのパートナーシップ」と大絶賛するほど。アーカー氏は、このパートナーシップの成功要因として、

(1)ユニクロにとってのブランドイメージ向上効果
(2)5番街の旗艦店の活性化
(3)クリエイティブでダイナミックな提携
(4)コンテンポラリーファッションというユニクロのブランド価値がMOMAと一致し、シナジーが生まれやすいこと、

を挙げている(LinkedIn Pulseより)。

全米で事業を拡大するユニクロは全米各地で店舗展開を進めているが、各進出先でスポンサーシップを活用している。例えば、ボストンではレッドソックス財団を通じて、公立学校の生徒にギフトカードを配布、若年層へのブランド浸透を図っている。

このように、社会貢献活動が直接的に企業のブランドやレピュテーションの向上につながる事例が増えており、CSRに対するアメリカ企業の考え方も大きく変わってきている …

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