BRAIN
特別企画 BRAIN × XPERIA
Sony Ericsson
小山薫堂
イメージ

Photo:Hirofumi Sato[Tenteng](acube/amanagroup)for BRAIN

アイデアの種が外の情報と混ざり合って新しく膨らむ。Xperiaはそれをうまく引き出してくれる。

小山薫堂 放送作家

「ブレーン」が注目するクリエイターに、新時代のスマートフォン「Xperia」を体験してもらい、そのインプレションを聞く本企画。第2回目となる今回は、放送作家・脚本家の小山薫堂さんが登場。相手を思いやる気持ちが、企画を考える上で大切である、という「サプライズ&ハピネス」の精神で活動の幅を広げる小山さん。その考えは、プロデュースした東京タワー内のカレー専門店「東京カレーラボ」、発起人を務めた首都高の事故削減キャンペーン「TOKYO SMART DRIVER」、脚本を手がけた映画『おくりびと』にも溢れている。もし小山さんがXperiaのアプリケーションを開発するとしたら、どのような驚きと幸せを提示してくれるのだろうか。

驚きと幸せに満ちたアプリケーション

イメージ「ワインのアプリとか面白いかもしれませんよ。Xperiaのカメラに搭載している顔認識やスマイルシャッター機能の発展形というか。ワインボトルのラベルを撮影すると自動認識で、そのワインがどの料理やチーズに合うのか、ソムリエの推薦コメント付きで詳細情報を教えてくれる。恋人との食事中に試したら、話も弾むだろうし、オンラインで購入してプレゼントすることもできる。技術的に可能であれば、そんな風に人の幸せに一役買えるアプリをいつか企画したいです」。他にはXperiaのGPS機能を使ったプロポーズ大作戦。「いざ恋人にプロポーズする日。近辺で時間に余裕のある人に祝福してもらうんです。白い鳩を飛ばしたり、人文字で“おめでとう”を描いたり。このサプライズに協力してくれる人いませんか?って呼びかけるんです」。まさに幸せなアプリ。次々と湧き水のように飛躍したアイデアが出てくる。そのアイデアはどのように生まれるのか。「基本的には何もしていないときに思い付きます。ケータイはアイデアを生み出すというより、広げるためのツールとして使いますね。傍ですぐ情報を取りにいけるとたいへん便利。いわばアイデアの火をさらに燃やすための道具としてケータイは“持っていて安心な存在”です」。

しかしその一方で、ケータイがあまりに便利になり過ぎたが故に、誰かに思いを伝えたり、誰かの思いを読み取る力が退化してきているではないかと心配している。「映画『おくりびと』には、自分の気持ちに似た石を相手に渡し、受け取る側も石の形から相手の思いを読みとる“石文”というエピソードがあります。でも、ケータイが定着して“思いを伝える”ことが容易になった今は、僕の元にも用件だけしか書かれないメールが多く届きます。その度に、思いを伝えるルールや距離感という大事なことが薄れつつあるのかなと感じます」。だからこそ、伝えることの大切さを再認識できるケータイの在り方とは何かを考えるようになったという小山さん。たとえば夏至と冬至の夜の「キャンドルナイト」が定着しつつあるように、年に一度、ケータイを使わない日があってもいいですねと話す。「でも、それでは1日の売上がなくなるわけだから、電話会社の人が困ってしまいますね(笑)。それはそれとして、驚きと幸せを感じるアプリケーション。本当にやりたくなってきました」。

高機能カメラを持ち歩いてる感覚

イメージカメラ好きとしても知られる小山さんだけに、ケータイ購入時はカメラの性能も気になってしまう。「今、『dancyu』という雑誌で「一食入魂」という連載をやっていますが、最近はケータイで撮った写真をそのまま掲載することも多いんです。Xperiaはカメラの性能もすごく高いので、カメラを持ち歩いてる感覚ですね」。カメラモードに切り替えた端末に触れながら、「そっくりさんを写したらどうなるかな?」と顔認識機能に食いつく。その小さな疑問から、「たとえばこの機能で“なにに似てる?”というアプリを開発しても面白そう。芸能人や動物やモノが表示されるんです」。Android マーケットにはカメラの楽しさを広げるアプリケーションも豊富。画像加工もできるPhotoshopや魚眼レンズで撮影できる遊び心あるアプリケーションもある。

それにしても動画が美しい、と高画質に感心する小山さん。「4インチで画面も大きいし、思ったより軽い。これなら海外出張の移動時間に1本映画を見るのもストレスなく楽しめそう。ここまで端末が良くなると、ケータイ向けに動画がレンタルできる環境が充実するかもしれませんね」。画面が美しく見えるので筐体はマットの黒「Sensuous Black」を選択。デザインに関しても、「持ったときの質感がすごく都会的でシンプル。角が少し斜めになっていたり、ちょっとした演出が効いている」と好印象。カバーを付けずそのまま持ち歩きたいと語った。

さまざまなアイデアの種を引き出すツール

イメージさらに、小山さんにとって気になるのがメモ機能。最近は思いついたこともケータイに記録することが多くなった。「基本的にメモはとらない性分なんですが、誰かとの会話の中に出てきた固有名詞など、“これは忘れたくない”と思ったら、その場でケータイに記すことが多いんです」。Xperiaはキー配列のタイプをPCかケータイで選べる。また、音声認識も備えているので、ケータイに喋った言葉が文字変換される上、そこからネット検索もできる。「仕事でも使い勝手が良さそう。PDFで送られてくる企画書や原稿も、画面が大きいのでこれならよほど重いファイルでない限りケータイ画面でチェックできるし、これはポケットサイズのデスクトップというか、プレビューモニターを持ち歩いている感覚です」。

このように情報を取得するのが大変便利になった現代。ケータイが普及する10数年前、かつては気になる情報を見つけたら、必ず自分の頭の中にストックしないと不安だったと語る。それは“情報との一期一会”の気持ちがあったから。今はケータイやPCで探せば何でもすぐに見つかるようになって、自分の頭の中に情報を蓄積する人が少なくなった。情報取得の容易さに馴れすぎるのには注意が必要と指摘する。本来はまず自分の中にあるアイデアの種が醗酵し、それが外の情報と混ざり合った時の化学反応で、また新たに種が膨らむと捉えている。「思いを伝えたり、情報を手に入れたり、それを忘れないうちにストックしたり。それら全てが直感的に操作できるXperiaは、さまざまな種を上手く引き出してくれる存在になってくれそうですね」。

小山薫堂

小山薫堂 KOYAMA KUNDO

放送作家・脚本家。N35inc/オレンジ・アンド・パートナーズ代表。東北芸術工科大学デザイン工学部企画構想学科長。1964年熊本県天草市生まれ。日大芸術学部在籍中より放送作家として活動、「11PM」にてデビュー。その後「カノッサの屈辱」「料理の鉄人」「東京ワンダーホテル」「ニューデザインパラダイス」「世界遺産」など斬新な番組を数多く企画。テレビ番組の企画構成を手掛ける一方、Fm yokohamaではラジオパーソナリティを、『UOMO』などの雑誌では連載をもつ。著書に「随筆 一食入魂」(ぴあ)などがある。08年公開された映画『おくりびと』で初めて映画脚本に携わった。『おくりびと』は国内外で注目され、アカデミー外国語映画賞ほか多くの映画賞を受賞。このほか、ホテル顧問、商品開発やロケーションプロデュースなど活動分野は多岐に渡る。