服は「究極の家」である、という考えを具現化したファッションブランド「FINAL HOME」を立ち上げ、デザイナーであると同時に、造形作家としても活躍する津村耕佑さん。津村さんのデザインする洋服は、コンセプトが明快で、着心地はもちろん、モノとしての造形美を感じさせるクリエイティビティで注目を集めている。
表現領域に囚われない視点を持つ津村さんが今回手にした「Xperia(エクスペリア)」も、まさに今の時代を反映した新世代の携帯電話。米グーグル社のOS「Android(アンドロイド)」を搭載するなど、見た目だけでなくソフトウェアのユーザビリティにも配慮して開発された新時代のスマートフォンだ。
「タッチパネル式を使うのは初めて」と話す津村さん。まずは「PHOTO COMMUNICATION」を体験するべく、高画質810万画素オートフォーカス対応カメラで撮影を試みる。「カシャっというシャッター音も本格的でいいですね」。撮った写真には、顔認識エンジンと電話帳が連動して名前が表示され、写真にタッチすることで電話やメールなどコミュニケーションを楽しむことが可能。無機質になりがちなメール・コミュニケーションに“表情”を与えてくれる。「写真と連動してくれると、相手の顔をイメージしながらメールを送ることができる。自然とメール文面もソフトになるというか、相手に対する気遣いが生まれやすそうな気がします」。最新のデジカメと比べても遜色ないさまざまな機能が搭載されているのも大きなポイントだ。
インターネットで動画を見る頻度が高い津村さんとしては、音楽や動画の機能も気になるところ。XperiaはボタンひとつでWebにつながり、YouTubeに簡単にアクセスする機能も持つ。また、エンターテインメントからビジネスまで、多種多様のアプリケーションを自由にダウンロードすることもできる。
さらに、端末上で使用した全ての履歴は、メールや 不在 着信や 写真撮影 履歴も含め、「Timescape」機能によってすべて一括で時系列表示し、タッチするだけで各機能にアクセス。常に行動を共にするケータイの履歴を振り返ることは、日々の自分の記憶を呼び戻してくれるだろう。
ちなみに津村さんは左利きだが、Xperiaは利き手を問わない。画面に表示するキー配列もケータイ式、PC式どちらにも設定できるなど、誰にでも使いやすいインターフェースになっている。
「持ちやすさを重視した背面の丸みのあるボディもかわいいね。表面は直線的でビジネスシーンに合うデザインでありながら、硬すぎないところがいい」と、外観にも好印象を示す津村さん。ケータイは使ううちに自分色に染まってくるという考えから、ケータイはデザインで選ぶことが多いという。「僕はこっちを選ぶかな」と「Luster White(ラスターホワイト)」を選択。「画面が大きいので、ここに何を表示するかでデザインの印象も変わりますね。つまり、ファッションと同様、気分に合わせてカスタムできるということ。パッと出したとき、それが自己表現にもなる。画面が大きいということは、それだけデザイン的に大きな役割を果たすんじゃないかな」。
思いついたアイデアは常に記録しておく津村さん。これまでは誰かと話していて気になった話題や、発想のヒントなど、気になったものをすぐにケータイから自身のPCにメール送信し、アイデアや情報を蓄積していた。その履歴もXperiaを使えば「Timescape」機能で一目瞭然。16GBのSDカードを搭載し、膨大な情報量が保存できる。「これを持っていると、常にオフィスごと移動しているようなものですね」。ちなみに、ケータイは夜寝る時も必ず枕元にある。寝付く寸前にアイデアが出てくることも多いのだという。
「機械は操作が難しいと、それが直感的な閃きを邪魔することがありますが、これは操作も簡単で親切。触っているだけでエモーショナルに反応してくれる。Xperiaが次のクリエイションの扉に通じる期待感があります」。かつて乗り物が馬から車になったことで身にまとう服が変化したように、ファッションというのは、道具の変化に伴って変化を遂げてきた。「便利になるとクリエイションも変わる。もしかするとXperiaはアイデアの出し方を変えるツールになるかもしれませんね」。
1959年埼玉県生まれ。82年第52回装苑賞受賞。83年三宅デザイン事務所入社。94年第12回毎日ファッション大賞新人賞・資生堂奨励賞受賞。同年、自身のブランドである「FINAL HOME」を立ち上げ、パリ・コレクションに初参加。「ディフェンス」「サバイバル」というコンセプトを掲げたそのクリエイティビティは、ファッションデザインの分野だけに留まらず、時代・社会・都市を見つめた造形作家としても制作活動を続け、これまで数々の作品を発表している。